2014年3月4日火曜日

震災から3年:私たちは節電に努力しているか

「福島の闇 首都の光」
朝日新聞 2014.3.2
手前が福島第一原発、上にいって福島第二原発
広野火力発電所、いわき市街そしてこうこうと輝く
東京都心が映っている
私たちは節電に努力しているのだろうか。朝日新聞(2014.3.2)の記事「福島の闇 首都の光」が目に止まった。朝日新聞社機「あすか」が東電・福島第一原発上空から東京都心を撮影した航空写真だった。

福島第一原発周辺は帰還困難地域として闇に包まれ、福島第二原発、広野火力発電所あたりで周辺が明るくなり、いわき市街から煌々と輝く東京都心が写っている写真だ。これを見て、私たちは節電をやっているのだろうかと疑問が出て来た。

あの計画停電を思い出す。東京は計画停電の規制外であったので不便は感じなかったが、群馬に帰っている時は、早朝と夕方の2回計画停電に遭った。寒い時期の一日で、しかも寒い時間帯だ。停電でも何かしようと思っていたが、電気がなければ意外に何かしようという気が起きないのだ。電気に慣れっこになっていたのだ。

工場は操業に支障を来したはずだ。電気使用量の余裕のある土、日曜日、日勤を夜勤にシフト替えするなど工夫した。電気代のこともあってか、今もシフトを継続している企業が多い。

また、テレビの情報番組は、エアコンの設定温度を○度上げれば、○%使用電力を押さえることが出来ると節電を囃し立てた。それが原因かどうかは知らないがエアコンがあるにもかかわらず、高齢者が室内で熱中症で死亡する事故が社会現象になった。

夏の室内温度を28度に設定し我慢すべきだったのを高齢者は更に設定温度を上げたために熱中症になったのだろう。情報番組はそこのところをしっかり説明していなかった。

でも、今はそうしたことを忘れてしまったかのようだ。

日本経済の構造も変わってきた。原子力発電が止まっているので、火力発電に頼るため原油の輸入量が増え年間3.3兆円の支出になる。貿易収支も赤字基調が続くことになる。原発1基を稼働させれば年間1000億円が浮く勘定になるらしい。しかも無理して稼働させている火力発電は老朽化も激しく、何時止まるか分からないと電力会社は言う。

だから政府は原発再稼働を主張する。

安倍総理は原発依存度を落としていくと言っていたはずだが、アベノミクスの成果を出すためにも再稼働に前のめりだ。

東京都知事選で小泉―細川連合が「即原発ゼロ」を公約に有権者に訴えたが、メデイアは官邸の意向をくんで「脱原発外し」に終始し細川さんは3位に終わった。自民党の支持を取り付けた舛添さんは、原発問題には触れず自然可能エネルギーを今の6%から20%に上げると公約する。でも問われれば「脱原発だ」ともいっていた。

原発は停止状態、火力発電は老朽化設備を無理して運転している状況で節電はどうなっているのか。

内閣官房のHP「冬季節電期間の始まりました」をみると、東電管内は平日の9時から21時の間、土、日、休日を除き「数値目標のない節電」になっている。できるだけ節電に努めろということか。北電管内は6%以上節電の目標をおいた日も設定されている。

我が家も3.11後と変わらない状況だ。居間の照明の電球もLEDではないが特に交換はせず、切れてもすぐには補充しないことにしている。マンションも角部屋なので光は差し込み昼間の照明は必要ないし、夜も居間1部屋だけ使っているので節電にもなっているはずだ。

節電、省エネは私たちの問題だ。でも見渡すと節電をやっているのか疑問に思うことがある。


[後記]
讀賣新聞2014.3.7に、「「節電しない」増え4割」というタイトルの記事が載った。
原発事故の前と比べて今も「節電している」と答えたのが55%、今は「節電していない」23%、「していない」21%で、4割超が節電していないと答えたというのだ。

                            2014.3.8


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