2014年3月12日水曜日

STAP細胞論文にSTOP、取り下げ(撤回)の危機?

STAP細胞論文にSTOP,取り下げ(撤回)の危機 ? ES細胞、iPS細胞に次ぎ「第3の万能細胞」かと思われたSTAP細胞の論文にSTOPがかかりそうだ。あのセンセーショナルなデビュー以降、数多くの疑問点が指摘され、理研によれば「場合によっては取り下げ勧告もあり得る」事態にまで発展し、共著者は勿論のこと理研、日本の科学研究の信頼性にも影響しそうになった。

ノーベル賞クラスの研究であるために各方面から注目され疑問が出てくるのは当然で疑惑がメデイアを賑わせている。

STAP細胞の根幹をなす画像の疑惑
テレビ朝日 スクランブル
2014.3.11
画像の使い回しは「単純ミス」と共著者は弁解するが、他人の論文の無断引用では科学者のあるまじき行為と批判され、さらにSTAP細胞の多能性を示す画像が小保方さんの3年前の博士論文の画像に酷似している事から、STAP細胞の根幹にかかわる部分でも疑惑が出て来た。

素人の私だって、目的外の実験での画像と今回のSTAP細胞の画像とが酷似していることは単純ミスよりねつ造を疑うべきだと思う。

他の研究者の再現性試験も成功の報告がないことから、詳細な実験手法をネット公開したまでは良かったが、それにも不可解な記述があることが分かったと言う。

メデイアの報道によると共著者の山梨大教授の若山さんは、ここに来て「STAP細胞の存在に確信が持てなくなった」と、一度論文を取り下げてしっかりした内容で再提出したらどうかと提案した。若山さんはSTAP細胞の作製には関係せず、その後の動物実験を担当したらしい。

良心的な研究者としては当然の意見だ。自分のメンツにも係わる事態になってきたのだろう。

ところが、夕刊紙のネットニュースでは、小保方さんが追実験で成功したとか、共著者のハーバード大教授が「自分の持っている情報内では論文の根幹は揺るぎない」という発言しているようだ。

この事案の後始末で難しいところは共著者の中にも意見が分かれていることだ。

でも、これらの疑惑には論文をまとめた小保方さん自身が表に出て説明すれば済む話ではないのか。それなのに広報が説明したり、共著者がコメントしたりしているから話はややこしくなる。

理研は、30歳という若い女性研究者でもあり、記者会見ではどんな質問が飛んでくるか分からないことを考えると、質問に答えられなくなって泣かれるようなことがあっては困ると考えたのではないだろうか。

理研は頑なに本人ではなく、部外者を含めた所内での検証結果を待ってくれと言う。14日に公表するらしい。

共著者が取り下げをしない場合は、理研が取り下げを勧告するとも言う。

理研としてはメンツがあるのだろう。こういった再生医療分野での研究助成には数百億円のカネが動くし、政府だって成長分野として大々的にPRしたいだろう。

小保方さんは発表後に政府の総合科学技術会議に出席して安倍総理と面会できる晴れ舞台が予定されていたが、ねつ造疑惑が発覚しドタキャンになったという(週刊文春2014.2.27)。

再生医療分野で成長戦略を立てたいために、政府は海の物山の物とも付かないうちに莫大な研究費を投じようとするだろうが、今回の事案は良い反省材料になるのではないか。

STAP細胞論文は、一度取り下げて疑惑をクリアーし、再提出するのが筋ではないか。理研内で追実験に成功したというのが本当であれば、STAP細胞の可能性はまだあることになるのだ。

そして一番大事なことは、小保方さんが出てきて説明責任を果たすことだ。このSTAP細胞論文の処置がどうなろうと、本人にとっては説明責任を果たすことと、果たさないことでは今後の研究者生命に大きくかかわる問題なのだ。


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