2014年3月11日火曜日

続く経常収支赤字:アベノミクスで円安、日本経済の構造が変わるか

アベノミクスによる円安で経常収支は赤字に転落、日本経済の構造が変革していくのか。異次元の金融緩和で円安、株高基調に変わり輸出増で国内経済は活性化し賃金上昇、家計収入の増加で消費が促進され念願のデフレからの脱却が実現すると言うアベノミクスのバラ色経済がここに来て好ましくない経済循環に乗った感じだ。

今、メデイアは官庁が発表する経済指標から日本経済の現状を解析している。

財務省が10日に発表した1月の国際収支統計で経常収支が15890億円の赤字になり4ヶ月連続で赤字になったという。

その要因に原発が止まっているために火力発電の比率が上がっているために燃料の輸入量増が上げられているが、財務省の貿易統計によると2013年のLNP輸入量は前年比で微増だったが、円換算すると輸入額が18%増の7568億円になるのだ。経済産業省の試算でも電力9社の1113年の追加燃料費合計は9兆円増えたとされる(讀賣新聞 2014.3.11)。

原発停止→火力稼働→燃料費増を政府は主張し、日本経済復活には原発の再稼働が必要だと訴えている。

しかし、輸入額の増加の大きな要因は円安と見られる。円高であれほど困っていた経済が円安に動くと、今度は輸入額の増加で経常収支が赤字になり、このままだと赤字基調が続きそうだ。

これは日本経済の構造変革をもたらすのだ、

経済成長率も年率0.7%に下方修正された。1~3月期は4.5%、46月期が4.1%であったが、1012月期は0.7%で景気は減速しているのだ。

その要因に統計から設備投資、個人消費が伸びないことが上げられている。生産が海外に移転し、それに伴って下請けも海外へ移転した。だから国内での設備投資は伸びるはずがない。

海外からの対日投資も電気代の高騰などが足かせになっているし、安倍政権の成長戦略を見守っているようだが、6月にどんな戦略が出てくるのか。岩盤規制にドリルで穴を開けると言うが官僚機構を中心に利権構造はがっちりしている。

個人消費もどうなのか。消費税増税での前倒し消費もあったが、その反動で買い控えが出てくるだろう。各種世論調査でも増税後は消費を抑えると答えた人の割合が多い。

国際会議で安倍総理は「buy  my  Abenomics」と言っていたが、海外メデイアはアベノミクスに批判的記事を載せているし、アベノミクスに好意的は海外要人の発言も「アベノミクスで日本経済が再生し、世界経済に好影響を与えるのであれば・・・」と言うことなのだ。

政府は2%の経済成長に持って行きたいために、民間予測よりも強気の予測を発表するが、経済指標では前年比で増加という一方で、前期比で見ると減少のものもある。いいとこ取りの指標の採用は判断を誤る原因になる。

今年の後半には、消費税増税10%への決断をするときが来る。諸々の経済指標をプラス、マイナス両面からしっかり検証してほしいものだ。増税したいがためにマイナス面を無視することだけはあってはならない。

低所得者、年金生活者には民主党政権の方が良かったと言うことにもなりかねない。


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