2015年6月7日日曜日

黒田・日銀総裁曰く「「2%物価上昇」を疑った瞬間に永遠に達成不可能になる」?

黒田・日銀総裁が2015年国際カンファランスでピーターパン流に「「2%物価上昇」を疑った瞬間にその達成は不可能になる」という意味の開会挨拶をした。そうだったのか、黒田総裁が民間エコノミストのほとんどが不可能とみている2%物価安定目標達成の時期を先送りしてでも達成可能と言い続けるのはデフレ・マインドの転換が出来なくなるためだ。

そして自らの約束「2年程度で2%物価目標達成」を反故にすることは責任問題にもなることを恐れているのだろう。

朝日新聞(2015.6.5)の「疑った瞬間に、永遠に飛べなくなる」の記事を見て、日銀のHPから「日本銀行金融研究所主催2015年国際カンファランスにおける開会挨拶の邦訳 2015.6.4日本銀行」を開いてみた。

各国中央銀行が非伝統的金融政策をとっているが、その効果と金融危機後の緩慢な景気回復をめぐり新たな議論が出ていることを鑑み今年は「金融政策:効果と実践」とテーマに活発な議論をしようと提案している。

世界経済の動きについて基本的に緩やかな回復基調にあるが、各国で相応の違いがあり、金融政策にも違いが出ているし、原油価格の大幅な下落がヘッドライン・インフレ率を低下させているとみる。

そこで中央銀行の金融政策運営上の論点は、第一に非伝統的金融政策として量的緩和を実施、長期金利、資産価格、予想物価上昇へ働きかけているがその効果と波及経路に関する共通理解を深めること。

第二に原油価格の低下で予想物価上昇率の低下を招いているがデフレ・マインドの転換を遅らせるリスクがあり未然に防止することが重要になってくる。中央銀行としては予想物価上昇率をどう計測するか、その消費行動への影響そして予想物価上昇率のアンカーの頑強さをどう評価するか。

そして第三に、先進国の間における金融政策の方向性の違いはもたらす為替レートなど国際的な波及への対応を上げる。

又、金融政策を実施しながらも景気回復が緩やかな点をどう見るかにも触れている。
その要因には、需要サイドの恒常的弱さ、供給サイドの生産性の低さを上げ、低迷は供給サイドを毀損し成長の低下、需要不足という需要と供給の関連の重要性を指摘し、低い自然利子率の下で経済が停滞する場合の次善のポリシー・ミックスとしてどんな政策の代替が考えられるかと問いかけている。

黒田総裁はことある毎に政府の成長戦略の重要性を訴えているが、中央銀行の金融政策だけではデフレ脱却は不可能なのだ。

そこで最後にピーターパンの「飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」という言葉を引用した。

日銀総裁としては「2%物価安定目標」の達成が可能と言い続けなければデフレマインドからの脱却は出来ないというのだ。その頑健さをどう評価されるかが大きな関心事なのだ。

しかしその期待感ばかりに頼ってはいられない。経済同友会の就任したばかりの代表幹事が「次は経済界の番」と言っていたが、政治や金融で出来ることは出そろっている。経済界が動かなければどうにもならない時期に来ているのではないか。


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