2017年3月16日木曜日

第3回(3月14日)経済財政諮問会議:困ったときのステイグリッツ教授頼みか

ステイグリッツ教授の資料
第3回経済財政諮問会議資料より
相変わらず困ったときのステイグリッツ教授頼みか。なかなか国内経済の舵取りに妙案がなく安倍政権のYESMANに成り下がった経済財政諮問会議だが、今回、議題が「米国などの国際経済について」という。今年に入って3回連続の議題になっている。米国はトランプ大統領の出現で今後の経済がどうなるか、ステイグリッツ教授を招いての会議になったのだろうか。

ステイグリッツ教授は、グローバリゼーションは間違っていた。儲けは1%の富裕層に片寄り中間層以下の国民は疲弊している。アメリカ社会が活性化するにはこういった中間層以下のための政治、経済、司法制度等を改革しなければならないと訴えていた。

この話を聞いていたからクリントンvsトランプの大統領選では早くからトランプ大統領の可能性が出て来るのではないかと考えていたが、多くのメデイア、専門家はクリントン勝利だった。

先の伊勢志摩サミット開催に先立ち、「何を世界に発信するか」で安倍総理はステイグリッツ教授など世界的な経済学者を日本に招き意見を聞いた。「世界経済危機」は他国の首脳から同意は取れなかったが、「余裕のある国から財政出動する」との合意を得ることが出来た。

今回の会議の結果をメデイアは「所得分配是正し教育に投資を」(讀賣新聞2017.3.15)と記事にタイトルを付けた。

会議後の担当大臣の記者会見要旨を見ると、ステイグリッツ教授を招き世界経済の情勢や先進国が抱える政策課題について議論したと言う。日本が最も重要なのは3本目の矢やイノベーションでの政府のリーダーシップだとの指摘があったと言う。

民間議員からも医療、介護、科学技術への政府の関与の重要性、イノベーション、所得の公平化に取り組むべきと言うメッセージをいただいたという。

そして安倍総理は「我々がアベノミクスの第2ステージとして進めている政策の考え方と相通ずるものがあると感じている」と結んだ。

314日の経済財政諮問会議は安倍総理も出席し40分の会議だった。アメリカから招いてたったの40分の会議とは贅沢すぎないか。そして本当に会議になったのか。

念のためにステイグリッツ教授が提出した資料「持続可能で共有された繁栄への移行」(和訳)を開いてみた。

それによると、ステイグリッツ教授は低成長が特徴で、成長の寄与は上位層に偏っている。グローバリゼーション、改革、技術進歩は約束した事を実現しておらず、むしろ反対のことが起きていると診断している。

そしてこれらの問題に取り組まなければ深刻な政治的結果が現れてくるだろうと警告する。

その対策として、所得の再分配、サービス部門を中心に経済を再構築する政策、成長率を高め全ての人が恩恵を受ける。所得の平等、市場経済ルールを書き換え、イノベーションを促進することだという。

日本にとっては、今の金融政策では限界で必要な税収を得るために炭素税の導入、イノベーションにおけるリーダーシップを取り戻す政策、来る数年間の日本のリーダーシップが必要と提言している。

グローバリゼーションについては成長の利益は過大評価され、分配の結果は過小評価されているという。TPPもアメリカ政府による試算ですら成長を利益は無視できる程度という。

アメリカなしの「新しい世界秩序」についても言及する。アメリカ自身が世界秩序から後退、国際機関はその任務を遂行するに十分な力を持っているのは良いニュースと言い、トランプ政権がメキシコ、中国に焦点を当てていることは日本に取っては良いニュースという。

そして、世界第2位の民主主義国家としては日本のリーダーシップを必要としており、日本に取っては好機かもしれないと持ち上げた。

しかし、素直に「ステイグリッツ教授、そうなんですか」と言うにはハードルが高すぎないか。

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