2013年10月18日金曜日

台風26号での甚大被害の大島町の「避難勧告せず」の是非

15日の台風26号により大規模土石流で多数の死者、行方不明者、家屋全半壊の甚大な被害をこうむった大島町で「何故避難勧告を出さなかったのか」と反省の声が上がっている。近くの神津島では避難勧告が出されたことを考えて、大島町の総合判断の是非が問題になっている。

気象庁は、土砂災害警戒情報、警戒要請、記録的短時間大雨情報を出す。

ここで2つの自治体で対応が異なった。大島町は、土砂災害警戒警報が出ると、自主避難を出す地域防災計画があったが、大島町長不在のために適切な判断ができなかったようだ。一方で近くの神津島では防災計画通り「避難勧告」を出した。

大島町は、真夜中の大雨、強風の中での非難は危険と判断したという。ところが神津島は0時20分の真夜中に同じような厳しい気象条件の中で避難勧告を出したのだ。

ここで、神津島の事例をしっかり検証すべきではないか。神津島は真夜中の強い台風接近という厳しい気象条件の中をどうやって住民を避難させたかだ。

当時、島にいなかった大島町町長の「真夜中の大雨の中での非難はかえって危険」という判断が言い訳に終わってはいけない。

町の責任者の町長が、10年ぶりの強い台風が接近している時に、島を空けることの是非も緊急事態対応で正しかったかどうか。

過去にも土石流で死者、家屋の全半壊の被害を経験している町で、防災計画もあったにかかわらず、何故、適切な判断ができなかったのか。

そして、日本の国土は災害の跡に観光地、居住地が開発されていることを忘れてはならない。平時は何とも考えなかったが、災害が発生すると「昔こういうことがあった」と思いだし反省するのだ。

災害の報道を聞いていると、80代の年配者が「こんなのは生まれて初めてだ」というコメントをよく聞く。災害はいつ起きるかわからないのだ。

そしてやはり、歴史を振り返りハザードマップを作成し、住民に情報提供をすべきだ。住民は常にその情報を共有すべきだ。

行政の判断が遅れても、住民が率先して行動をとる。気象庁が言う「命を守る行動」が大切なのだ。

気象庁は、今回「特別情報」を出せなかったことでルールの見直しをするというが、気象庁が発する警報は「私たちに向けた情報」と認識すべきではないか。




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