2013年10月8日火曜日

国会改革:まず、国会審議でもっと実のある質疑が出来ないか

国会改革がなかなか進捗しないようだが、国会の審議をもっと実のある内容に出来ないものか。政府は臨時国会を1015日に開くらしい。安倍内閣は消費税増税、TPP,外交など重要政策を国会審議は後回しで進めているが、国会の質疑の中で政策の問題点が浮かび上がってくるものだ。従来の国会審議を見直し、時間をかけた質問作り、答弁で実のある内容にすべきではないか。

新聞報道によると、総理の国会出席時間が長く、外交などがおろそかになっていると言う指摘も出、見直しが要求されている。総理は質問者の要請があれば国会に出席しなければならない規定があるようだ。

さらには与野党の攻防で審議日程がギリギリまで決まらず、質問事項を受け取って大臣の答弁書を作成するために官僚が待機する羽目になり、その超過勤務手当は年間331億円にもなると言う(讀賣新聞2013.10.8)。

私たちは、331億円もかけて大臣の棒読み答弁、実のない国会審議を聞かされているのか。

私は、NHKの国会審議があるときは、出かけずに聞くようにしている。質問者はフリップまで用意し質問する。NHKが中継するので有権者には良いアピールになる。おそらく支持者には御触れが回っているだろう。でも内容が今ひとつなのだ。

大臣は、「○○議員にお答えします」で始めるが、国民に応えるのではないのか。おまけに官僚の作ったペーパーの棒読みだ。大臣席でペーパーをめくっている。民主党政権時の防衛大臣で官僚の耳打ちがなければ応えられない人もいた。小泉政権時には女性の法務大臣が「何分○○なので・・」とど素人で答えられない人がいた。それでも皆、仕方ないと思ったようだ。

「選挙区で有権者の話を聞くと・・・・」の質問では「先生のお考えも参考に検討します」と応えると質問者は「よろしくお願いいたします」で閉める。その後どうなっているかなどは関係なさそうだ。

「通告がなかったので応えられません」というのがあった。所管大臣は専門家なのだからどんな質問にも答えるべきではないのか。逆に言えば、その程度の人物が大臣に付いているのだ。でも民主党政権の時、予算委員長が述懐していたが「野田総理は、何時振っても必ず応えてくれた」という。

新聞や週刊誌に載ったスキャンダルでの質問も目立つ。申し合わせで自粛しようということになっていたようだが、政府の首根っこをとろうとあえて質問する。予算委員長が「○○先生らしくない質問では」と注意を喚起する。

菅総理の名前を「仙石総理」と呼んだ民主党の予算委員長もいた。たるんでいる予算委員会だった。

極めつけは中国人船長を「地検が、高度の政治判断で釈放した」という仙石官房長官(当時)の答弁は、国民もあっけにとられた。誰だってそんな事が出来るはずはないと思う。案の定、最近の新聞で仙石さんが本当のところを吐露していた。

民主党政権が、国民の信用を失う出来事だった。

質問者にも問題がある。

フリップまで用意しての質問であるが、大臣の答弁はペーパーの棒読みで、要点がはっきりしない。質問者は「要点を避けた答弁だ」と更に追求するのは良い方で、「この点は関連質問で仲間が質問しますので、次のテーマに行きます」という。分からなければ分かるまで質問すれば良いのではないか。時間内に多くの質問をしようと思うから、いい加減な内容になり、与野党問わず質問者は同じ質問を繰り返す。

自民党が野党時代、フレッシュさを出そうと若手、中堅議員を質問に立てていたら、ベテラン議員からクレームが付きベテラン議員が質問に立ったが、延々と持論を述べ、お説教調になった。閣僚はポカンとした顔で大臣席で聞いていた。

そんなことだから、国会改革なら、まず国会審議のあり方を考え直したらどうか。

質問者は、国会審議を与野党攻防の具にするのではなく、質問事項をルール通り2日前までに政府に提出することだ。それにより官僚は無駄な超過勤務をする必要はなくなり年間331億円が節約できるし、十分な内容の答弁書(?)を作成することが出来るはずだ。

また、質問は誰でも良い訳ではなく、それなりの専門知識を持った議員を立てるべきだ。質問事項がなかなか出てこないような議員は質問者として不適格ではないか。

又、大臣がすべてを応えることにも限界があるのではないか。昔は、「技術的問題なので参考人に答えさせます」というのがあった。あまりにも参考人を指名する機会が多いので「大臣が答えろ」と言うことで官僚の答弁はなくなり、ペーパーの棒読みが始まった。勿論、官僚が替わりに答えてもペーパーの棒読みになるのだが。

国会中継を聞いていて、やっぱりよく知っている人間が答える必要もあるのではないか。私たちにとっても、この人間が政策を推進しているのだと言うことが分かる。勿論、官僚がよくやるペーパーの早読みでは困るのだ。

日銀前総裁の白川さんは、結構早口でペーパーを読んでいた。マネタリーベースなど重要なデータは、フリップなどで明示して欲しかったぐらいだ。

質問者も分かったような顔で、次の質問に行く。聞いていて「これで了解したのか」と不思議に思うぐらいだ。その程度の解答しか期待していなかったのかと思うと、何のための委員会質疑かと疑いたくなる。

次の臨時国会は重要な課題が多い。国会審議のやり方を工夫すべきではないか。



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