量的緩和の出口戦略:縮小開始を探るFRB,時期尚早という日銀。FRBが量的緩和の縮小を打ち出してから、市場の大方の見方に反して量的緩和継続の方針を続ける。今回も9月の雇用統計で就業者数の増加が市場予想の18万人を大きく下回った14万8000人にとどまり、銀行関係者は、QE3縮小時期は遠のくと見る。
FRBは、雇用統計の改善を目指しており就業者数の20万人増が縮小開始の目安になる。
今日、23日の参議院予算委員会でも民主党・櫻井議員が「日銀の出口戦略」を黒田総裁に問いただした。黒田総裁は「その時の経済物価状況、市場の情勢によって変わる。現時点で具体的に話すのは適切でない」と一般論としての答弁を繰り返していた。
日銀は、2%物価目標を目指して異次元の緩和政策をとっている。
いまアベノミクスの効果(?)で、物価は上昇傾向だが、円安による輸入品の物価高で好ましくない物価上昇が続いている。
櫻井議員は、輸入品の物価高による物価上昇がどのくらいの割合を占めるのか日銀・黒田総裁を追究した。黒田総裁はもろもろの要因で物価は上昇しているとしながらも、詳細には言及しなかった。
出口戦略についても、「今コメントすることは市場に混乱をきたす」といい、日銀は量的緩和を継続する考えだ。
櫻井議員も好ましからざる物価目標が続いているが、日銀は出口戦略をどう考えているか確認したかったのだろう。
米国のメデイアが、FRBは難しい用語を使って市場とコミュニケーションを取ろうとしているが、日銀の黒田総裁は、「2年で2倍」と分かりやすい言葉で市場とコミュニケーションしていると評価してた。
異次元の量的緩和も2%物価目標が達成されるまで継続するのだろうが、2%の目標が見えた時に量的緩和を解除するのか、達成した時かは過去にも議論されたことがあるが、はっきりしていない。
米国の出口戦略は、保有高が第2位になったとはいえ、100兆円を超える米国債をもっている我が国にも大きな影響があることが想像できるし、日銀の出口戦略も国内経済に少なからず影響が出る。
異次元の量的緩和をどう収束していくか。どこかの中央銀行の関係者が「量的緩和は始める時よりも止める時が大変だ」と言っていたが、実験台で終わってはいい迷惑だ。
日銀のみならず、政治の大きな責任だ。
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