阪神阪急ホテルズ運営のレストランの食材偽装事件は、合併企業の経営トップの緩い経営感覚をまたまた露呈させた感じだ。記者会見での強ばった顔での社長の「偽装ではなく、誤表示」発言は、企業への責任が及ぶのをなんとしても食い止めたい一心だったのだろう。
何度も繰り返す「偽装でなく、誤表示」発言は、企業イメージを損なったのではないか。不正にどう対応するかは経営者の資質だ。
白斑問題のカネボウ、暴力団融資問題のみずの銀行そして食材偽装事件が発覚した阪神阪急ホテルズに共通することは、合併企業にありがちな経営の一体化が進まず、主導権争い、権力闘争、情報の共有化の欠如だろう。
今回の食材偽装事件はテレビ記者会見、新聞報道しか情報がないが、「誤表示」で終わる問題ではない。
社長のムスッとした顔での「偽装ではなく、誤表示」発言は、サービス業とは思えない雰囲気で、失敗の記者会見ではなかったか。
おそらく顧問弁護士を含めて担当者が雁首そろえて練った善後策なのだろうが、酷い内容だった。
そもそも、この食材偽装事件がどうして発覚したのか。
社内でメニューを見直している時に見つかったのか、従業員の誰かが不正を公開したのか、社外の人間が指摘して分かったのか。この辺がはっきりしない。他人に指摘されたとすれば余りにもお粗末だ。
社長は「利益のために意図的に表示を偽ったケースではない」と言うが、常務は「激しい競争下で客にアピールしたいという意識が働き過ぎた」と弁明した。
「激しい競争下」と言うことは、「どうやって利益を確保するか」だ。当然安い食材を使って高級メニューを作ることぐらいは、レストランでは考えることだ。
メニューと食材とどちらが先に決まるかとの問いに、メニューだという。メニューで他社との特異性を出し、食材のグレードを落として利益を出すことぐらいやろうと思えばどこでもできる。やっぱり食材偽装としか考えられない。
メニューと食材とどちらが先に決まるかとの問いに、メニューだという。メニューで他社との特異性を出し、食材のグレードを落として利益を出すことぐらいやろうと思えばどこでもできる。やっぱり食材偽装としか考えられない。
芝エビとバナメイエビの違いが分からなかった調理担当の知識不足を上げていたが、仲買の人は、「芝エビは手に入りにくい」という。料理を担当する者が食材の違い、入手の難易を認識していなかったのか。納入業者の言う誤表示を、そのまま使っていたも言われているがそうだとすると驚くべきことで、責任感などあったものではない。
牛脂を注入した肉を使っていたことについては、「肉に間違いはない」、「牛脂を注入した」と表示しなかったことが誤表示に当たると弁解した。
レストランのメニューに牛肉・・牛脂注入・・なんて表示するのか。産地の表示もされていないのに。バカなことを言う経営陣だ。
ご多分に漏れず、「辞任は考えていない」「報酬の○割カット」で、このピンチを切り抜けようと考えているようだ。
どう判断するかは顧客次第と言うことになる。
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2013.10.27掲載
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