2013年10月20日日曜日

NHK日曜討論・与野党激論「重要課題にどう臨む」を聞いて:与野党共に「国民にしっかり説明を」と言うのだが

20日の各党幹事長が出席してのNHK日曜討論 「与野党激論:「重要課題にどう臨む」」を聞いて与野党共に「国民にしっかり説明を」という。15日にやっと臨時国会が開かれたが、それまでの3ヶ月間は、国会審議なしに国民生活に大きく影響する政治課題が、○○会議、ワーキンググループなどでドンドン決まっていく状況を見ると、「ねじれ国会」解消で安倍政権の独善政治が臭ってくる。

更に、臨時国会は53日の短期間で、重要法案が十分に審議できるかと危惧されているが、外交にも力が入る安倍総理にとって、産業競争力強化法案、国家戦略特区法案など「成長戦略実行国会」に欠かせない法案もさることながら、国民生活に重要な影響を及ぼす消費税増税、特定秘密保護、汚染水問題も国民に十分に説明されないままに既定路線走っている感じだ。

NHKの日曜討論を聞いていて、与野党共にそれぞれの政策に「国民にしっかり説明を」という要求が出される。裏を返せば、それほど国民にしっかり且つ丁寧な説明がされていないのだ。

今回取り上げられた、消費税増税、秘密保護法案、汚染水問題でも自民党・石破幹事長は、真意は何か、国民にしっかり説明して結論を出すと言う。

消費税増税では、自民党・石破幹事長は国の信用、国債暴落を回避できる。増税で社会保障は安定し、社会は充実すると1997年の増税時のことを上げて「うまく行くか」と言われるが「当時とどう違うか」「増税しても大丈夫」をしっかり説明すると言う。

しかし野党・幹事長らは、「雇用の安定、安心社会」が国民の願いだが、第3の矢はそこまで行っていない。中小企業は苦しいし、1997年に比べて年収も減少している。今は消費税増税は中止すべきではないか。第1の矢、第2の矢は効果が出ているが、第3の矢は時間がかかる。効果が出てから増税すれば良いんだからここは凍結すべきだという。

また、消費税増税分は社会保障以外にも使用できると法案のなかに記してあると維新の会の松野さんが指摘するが、石破さんは災害対策はバラマキではない。増税分はそれ以外は使わないことをきちんと説明する必要があると説明の必要性を認める。

特別秘密保護法案も「何故、必要なのか」「特定秘密とは」と野党からいろんな疑問が出ていた。石破さんは安全保障上必要だと言うが、国民の知る権利はどうなっているのか。公明党の意見も入れて、「知る権利」「報道の自由」「取材の自由」を明記されたようだが、最初は入っていなかったのかと疑問が残る。

石破さんは恣意により秘密にしてはいけないというが、情報公開法とセットで考えないといけないらしい。

社民党の幹事長が言っているように「国の情報は国民のもの」なのだ。特定秘密の定義は限定的に考えるのが常識だろう。

もう一つ、汚染水問題がある。国民の67%は汚染水問題を評価していない。

ドンドン深刻な事態になっているが、東電任せにせず、湾内、湾外の数字はきちんと明らかにし、検証し国民に示すべきではないか。処理費用を税金でまかなうことに反対の意見もあり、東電の破綻処理もくすぶった問題なのだ。

あらゆる政治課題で与野党が対立しており、「国民にしっかり説明」する必要性が求められている。

そんな状況下で、本当に53日間の国会会期で十分なのか。

安倍自民党も、選挙前に「自民党は変わった」と主張していたが、安倍政権の今、旧態依然とした自民党の姿を現してきた。20日朝の情報番組では安倍政権の支持率は下がっている。

このまま物価高、課税負担が家計に降りかかってくると、アベノミクスは何だったのかが国民に分かってくる。安倍総理は今後もアベノミクスが失敗しないように政策を打ち出すだろう。

日銀も消費税増税で景気に腰折れが出てくることを回避する為に、もう一段の緩和策を考えているという。市場にはカネがダブついているというのに。

国民に負担を強要する消費税増税、国民の基本的人権に抵触する特定秘密保護法案、海外の研究者からも危険視されている放射能汚染水問題に政府はきちんと国民に説明していない。


「国民にしっかり説明を」発言が出てくる内は、民主主義政治はまだ未熟なのだ。

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