2016年7月18日月曜日

日本の経済政策:誰かが立案するが、だれも責任を取らない

日本の経済政策は誰が立案しているのか、誰が責任を取るのか。安倍総理は次から次に政策を打ち出すがP→D→C→Aでの政策の質の向上ではなく、P→Dの繰り返しで世界経済の不透明感が強まるにしても結果を評価し誰かが責任を取ったという話は聞かない。

そんな時、讀賣新聞(2016.7.18)で猪木武徳先生の「経済政策の立案」という論文が目についた。全く同感だ。

それによると、専門家の間でも日本経済の現状把握に根本的な不一致がみられ、「誰が」「いかなる事実認識で」次のステップの経済政策を打ち出そうとしているのかという点をしっかり確認しておかない限り、どのような政策論も責任ある主張とは言えない」という(讀賣新聞 2016.7.18)。

日本の経済政策を考えてみよう。

安倍総理は民主党政権から交代したとき、今までの経済政策では円高、株安は変わらないとみて、政策変更を訴えるリフレ派経済学者の主張を採用しアベノミクスの3本の矢を放った。特に異次元の金融政策は日銀総裁を更迭してまで踏み切ったのだ。

その側近リフレ派の提言する政策から安倍総理が政策を選択、メデイアなどへ発信した。

政府の経済政策を審議する経済財政諮問会議があるが、安倍政権の政策をヨイショする専門家(?)からなる。議事録を見ると官僚や民間議員が作成した資料が配付され、各委員が会議で提言するようになっているが、その内容を見るとメデイアなどで安倍総理が発言していた政策を追認しているのだ。安倍総理の政策が正しいという。

その提言に対して質疑応答があるようだが、麻生財務相の質問が目立つ。麻生さんは財務相だから財務省の経済政策寄りで、会議の推進は経済産業省などがリードするので考え方が違う。

全体の会議は1時間なので次々報告が続く。

最後に記者が招きいれられ安倍総理の総括だが、ペーパーの棒読みだ。完全に経済産業省寄りの進行で終わった。その後担当大臣が記者会見し報告を終わる。

経産省は財政出動派、財務省は財政再建派で根本的に政策が違う。メデイアも経済政策を論じる場合は財政出動と財政再建を同時に論じる。

一方、成果と責任はどうなっているのか。

安倍総理は「アベノミクスは間違っていない。未だ道半ば、この道しかない」と言うが、野党は「既に破綻している。見直すべきだ」という。私も3年も同じ政策の姿を変えて訴えるよりも根本的に見直しすべきだと思う。

安倍総理はアベノミクスを否定することはしないから側近、お抱え御用学者も責任を取らない。

誰かが言っていた。経済学者や専門家は一端の持論で政策を訴えたり予測するが、間違っていても臆面も無く出て来て評論を繰り返す人種だと。そういえば失脚した経済学者、官僚がいるのか。

日本経済をリードする経済学者、官僚が責任を取っていたら誰もいなくなるのではないか。


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