やっぱり為替と経済力の関係は薄弱になってきたのだ。日本経済の指標、財政状況は良くないのに何かあると「安全資産」として円買いが始まる。おまけに投資家は、以前から言われているように「超高速取引」プログラムを採用しているので短時間に売り買いされ変動が大きい。規制の動きもあったようだがうまく行かない。
讀賣新聞(2016.7.7)「円高 3つの理由」は今まで言われていた円高の要因を検証している。
それによると、①長期的デフレが円の価値を高くすると言い、②構造的な経常黒字(16兆円)で対外純資産(340兆円)も大きいと言う。そして③「円は安全資産」と見なされて何かあると「超高速取引」で為替が大きく変動する。
それに付け加えれば、各国が国内企業のために為替安政策をとる。ドル安→円高だ。更にはFRBが利上げの時期を狙っている。今は米国内経済、雇用に不安が見られるが利上げは円高に結びつく
以前は、円高は日本の強い経済力を反映しているものと教えられたものだが、今はそうではない。日本の経済指標、財政状況が悪くても円が買われる。安全資産とみるのだが、そんなに海外の各国の経済状況は悪いのか。
国や地方の抱える借金は1050兆円にも達し対GDP比200%、経済危機のギリシャより悪いという。経済成長率も先進国一低い。政府は成長戦略を掲げるが速効性はない。
OECDでは赤字をGDPの3%以内とする基準を守っているが日本は特別に猶予されている。記憶が定かでないが3%だと15兆円になるが一般予算の赤字は30~40兆円になる。いつまで猶予が認められるか。
2020年度までにPBの黒字化を各政権は目指すが、無理なことは分かってきた。公約してもそこまで政権が持つ保障はない。政権はドンドン変わるので誰が責任を持つのか分からない。
政府、日銀は2年で2%物価安定目標を掲げたが3年経っても達成は不可能とみられている。期待感を煽るだけでは無理になってきた。家計への再分配を企業に要求したが国際経済は先行き不透明感が漂っている。企業家は即反応し賃上げもままならない。
そんな中で、英・EU離脱決定後の混乱から円相場は一時は99円台に。持ち直し101,102円になったが今は100円台後半だ(7月6日 100円97銭から99銭)。
投資家はチョットした変化を見つけて売買するので儲けるだろうが為替の変動は企業活動、国民生活に大きく影響するので迷惑な話だ。
参院選の街頭演説で安倍さん、麻生さんは「アベノミクスは失敗していない」「アベノミクスの宴は終わっていない」「道半ば」という。でも野党は「アベノミクスは失敗。見直しを」と反論している。
新聞報道によると、麻生さんは「皆、円を買い国債を買っているではないか。アベノミクスの宴は終わっていない」と民進党の岡田さんに対抗した。
アベノミクスの効果なら円安ではないのか。
市場がいつ日本経済の脆弱さを悟るか、その時は国債の下落、円はどう動くか。
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