2016年7月28日木曜日

今日の新聞を読んで(13):安倍政権の「未来への投資」は「未来への負債」にならないか

安倍政権が大風呂敷を広げた。デフレ脱却、アベノミクス再加速、投資家の期待感を煽るために20兆円の投資から28兆円の事業規模を発表した。安倍総理は「未来への投資」と言うが、「未来への負債」だ。カネだけ使って効果なしというのが政府がやる投資の常套なのだ。

財政投融資でリニア新幹線を前倒しし将来への経済成長を期すると言うが、名古屋以西はまだ決まっていないし、旧来の新幹線とどう共存していくのか。今長野県大滝村で工事に着工しているが破砕帯など難工事が予想されている。脆い地盤のために地元の人は計画変更を訴えているほどだ。

28兆円という規模は確かに大きい。サプライズを狙った投資と言うが、公表してしまったらサプライズではない。もう市場は驚きもしないのでサプライズ効果など期待出来ない。

一番不思議なのは、内需を下支えし景気を回復軌道に乗せるという。

国民は将来不安で「ケチっている」のか、「欲しい物がない」のかどっちなのだ。将来不安で消費が伸びないのであれば不安を払拭する政策が必要だし、「欲しい物がない」のであれば国民が欲しがる物を開発しなければならない。必然的に対策が異なる。

政府は、外国人観光客の増加、農産物の輸出力強化、低所得者層への現金支給を考えているようだ。公明党は以前評判の悪かった商品券構想も持っているようだ。

内需拡大と言うより外需依存ではないか。「物を作って売る」事になっていない。

又、これだけのことをやるには財政支出が必要だが、それが当てにならない。

15年度予算の使い残しがあるのでそれを使うという。だったら15年度は必要以上の予算を組んでいたことにならないか。あるいは次から次に補正予算を組むから消化不良になっているのか。また国債利払いで減少分を当てるとも言う。具体的にはどれほどの額になるのか。そして建設国債だ。

成り行きによっては当てにならず、未来の負債になる感じだ。

そもそも日本市場の縮小の要因は人口減にある。これを解決しなければ復活などあり得ない。以前は出生率1.8を唱えていたが人口増が社会問題化し1.4に減らした。その結果、減りすぎた。そこで又1.8を言い出した。

人口が減れば社会保障などを担う国民が減ってうまく行くはずがないし、消費増も期待出来ない。だから企業は海外市場を当てにする。

人口増で、テレビ朝日の報道ステーションで玉川さんが面白い報告をしていた。子どもを増やすには①子育て世帯にカネをやる、②保育に補助、この2つが基本だが③家族手当もある。

何のことはない民主党政権時の福祉のあり方だ。民主党政権が続いていたら
子育て環境は変わっていたかもしれない。

フランスの例を挙げ必要な費用は年間GDPの1%、日本では5兆円に当たる。しかもフランス国民の負担は40%を越えているらしい。

高負担でも人口増は内需拡大に一石を投じるのではないか。手っ取り早くの成長戦略が「未来の負債」になってはたまった物ではない。



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