最近の新聞報道から安倍政権の本性を知ることが出来る。参院選で憲法改正の発議が出来る参議院の議席2/3を確保し、選挙戦中はなりをひそめていた憲法改正に「公約に上がっているから」と承認されたと安倍さんは言う。安倍政権の目くらまし、争点隠しは有権者全員が知っておくべきだ。
しかし、そんな安倍政権に何故、圧倒的多数の支持を与えたのか。
その要因には、讀賣新聞の世論調査でも分かる。安倍政権を支持する理由は「他の政権に比べてマシだ」というのだ。有権者の間には民主党政権時の悪夢が蘇るのだ。
もう一つは、18歳まで選挙権が引き下げられたが、自民党政権の支持が大きかったのではないか。それは現実的政策、安定政権の必要性を学校などで教えているかもしれないのだ。
そういった安倍政権の強さ(?)を反映してか、二階総務会長が」安倍総理の任期延長」に言及した。18年9月から更に延長し20年のオリンピックまで延長しようというのだ。
内閣改造、自民党役員改選を控えて安倍総理にヨイショした感じだが、反立憲、反民主政治の安倍政権を延長されては困ったものだ。
憲法改正について、改憲論者で自民党の高村副総裁が憲法9条2項は自衛隊を違憲としているが、自分としては改憲したい。でも、自民党内にも異論があるし、おおさか維新、公明党にも意見が同じ訳ではない。「改正が出来ないのであればしない方がいい」としおらしいことを言い出した。
安倍政権は財政出動と財政再建は日本経済再生の両輪だという。相反する政策が同時に出来るのか。あらゆる手段を講じるというが、2020年のPBは5.5兆円の赤字だという。それでも当初の6.5兆円より減っている。
その手段が今後の政府の歳出削減を前提にしている。政府の歳出の伸びを賃上げ、物価の伸び率の半分にするというのだ。19年10月の消費税増税は20年度には間に合わない。
26日の安倍政権の経済政策をヨイショする経済財政諮問会議で議論されたと言うが、ペーパーを読み上げて、チョット質疑し決まったようなものだ。中間目標は達成不可能とも言う。
予算案も財政再建とどう考えるのか。
16年度予算案も当初102兆円を超えていたが、96兆円に押さえたと実績を主張する。1億総活躍社会プランで子育て、介護に手厚く配分するらしいがその財源は、アベノミクスの成果、すなわち税収増加分をあてるというのだ。
財政出動は昔から公共事業が中心になる。リニア新幹線を前倒しするらしい。一番難工事が予想される長野県大滝村で工事が着工されている。でも名古屋以西はまだ決まっていない。工事費がいくらになるか読めていない。更には、リニア新幹線と旧来の新幹線をどう共存させるのか。開通までは私は生きていないが、難工事のニュースは聞くことが出来そうだ。
アベノミクスは行き詰まっており見直しが必要と言うのは常識だ。何時までもアベノミクスの成果に頼ってはいられない。安倍政権が何時このことに気づくかだ。
しかし、安倍政権が続く限り、アベノミクスの見直しはないだろう。見直し=安倍政権の経済政策の失敗になるからだ。
当然に、日銀の2%物価安定目標も問題になる。3年経っても目標達成時期を4回先延ばしするだけで、民間エコノミストや学識者は達成不可能という。日銀の政策委員の中にも達成時期を掲げるのは止めようという意見もある。
又、毎月2回の日銀政策決定会合が注目される。追加緩和を決めるかどうかどうかで市場が騒ぐのだ。追加緩和をしなければ円高、すれば円安で投資家の儲けも違ってくる。昔の経済学では「円高は日本経済の実力」と教わったが、今は逆で円安でないとダメなのだ。
米国も麻生さんが為替介入を匂わすので牽制する。「今の状況がいいのだ」という。1国が単独で介入しても効果がないのは既に過去の経験で分かっている。財務省もやれないことを言ってはいけない。
昨日の新聞だったと思うが、安倍総理は「政策より政局」に興味を持っているという記事に同感だ。
繰り出す政策も考えているのは官僚だ。同じ人間が変わった政策等出せるはずがない。異論がないように審議会などの委員はYESマンだ。切磋琢磨など考えにくい。
麻生さんが経済財政諮問会議で「これからは財政出動から民間出動だ」と発言していたが民間出動はどうなっているのか。経団連が案を出すと言う話があったが、出ている意見は構造改革、規制緩和の要求ばかりだ。
そこで安倍さんは野党潰しに走っている。参院選では「民共を野合」と批判し続けた。自民党に取っては野党の共闘は脅威なのだ。野党が共闘態勢を築く前に衆院選をやりたいらしい。
しかし、安倍さんの威厳も落ちているらしい。安倍さんが応援に入った選挙区では自民党候補者が惨敗しているのだ。
今回の東京都知事選では、増田さんが不利とみて応援に入っていなかったが、今、頑張っているという情報で自民党のHPでビデオ応援したという。
今国民に取って一番大事なのは、「他の政権に比べてマシ」という有権者の判断に挑戦できる野党が育って欲しいし、育てるのは有権者だ。
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