2021年4月14日水曜日

汚染水海洋投棄に30年?、処理は科学的判断で

 政府は福島第一原発にたまっている処理水を23年から海洋投棄することを決めた。飲料水基準以下での放流らしい。当然風評被害が出てくるが東電が賠償するという。非常時の対応は冷静にと思うが事故後の対応となれば互いの信頼関係が重要になる。残念なことだが今の東電に信頼関係などない。

菅政権はこれ以上放置するわけにはいかないと海洋投棄を決断した。実際の投棄は2年の準備を経て、30年にわたり実施されるらしい。専門家は海洋投棄しかないというが、漁業関係者は当然反対だ。どう説得するかが喫緊の課題だろう。専門家による説得も必要だろうが、中国、韓国からも反対の動きがある。

東電・福島第一原発に保管されている放射性トリチウムを含む汚染水を100~1700倍に希釈し30年にわたり海洋投棄する気の長い計画だ。

保管中のトリチウムの総量は860兆ベクレルと言うが、カナダでは892兆ベクレルを年間放出、日本では19年度国内稼働中の原発が16~56ベクレルを放出しているという。

1~10ベクレルの飲料水基準の1000分の一、年間22兆ベクレルを放出すると約40年かかる。

専門家に言わせるとトリチウムは処理は困難だが、体に取り込んでも尿で排泄、生体内での蓄積は少ないらしい(読売新聞2021.4.14)。

トリチウム含有汚染水の海洋投棄は問題ないとみられているが、福島第一原発の事故、今までの東電の対応を考えると漁民は放流に反対だろう。東電の事故処理のまずさが影響している?

事故後、処理の検討に7年ほど要したらしい。海洋投棄はどこでもやっていることだし「問題なし」といっても漁民にとっては信用できないはずだ。

実際に海洋投棄は2年後から30~40年かけて放出されるだろう。漁民がいくら反対してもダメか。この2年間にどう漁民を説得できるかだが、中国、韓国もうるさい。

中国は毎年45兆ベクレルを排出しているが、福島第一原発の場合、860兆ベクレルを30年間にわたり排出するとすれば29兆ベクレルだ。中国、韓国の排出量に比べて少ないのだが、難癖を付けるのだろう。

海洋投棄を認めた菅政権だって2年後に政権の座にいるとは限らない。一体誰が責任を持つのか。最後は東電自身か。




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