2010年5月3日月曜日

今こそ「広く会議を興し、万機公論に決すべし」だ


連休で、若者で込む表参道から、明治神宮に出かけた。明治神宮も海外の旅行者も多く、催し物もあって普段より参拝者も多い。

そこで、「五箇條の御誓文」にであった。日本史の中で御誓文のことは知っていたが、その内容はすっかり忘れていた。明治維新の施政基本方針で、「公議世論」「人材登用」「開国進取」を神に誓う形で発布されたが、倒幕派の主導権確立のための政治工作の一環であったために賛否両論ある。

しかし、その中で今でも十分に通用する誓文がある。

その一つに「広く会議を興し、万機公論に決すべし」とある。今流に言うと、広く人材を求めて会議を開き議論を行ない、すべて公正な意見によって決めよ」と言うことだ。

今の政治を見ていると、「郵政民営化」「在日米軍再編成」「政治改革」「公務員制度改革」「政治資金規正法改正」など将来の姿が描けず、十分に議論されことなく、その時の政権与党の思惑でごり押しされ、後で混乱を来すことが多い。

5月3日は憲法記念日だ。この日が来るたびに、憲法改正議論が高まる。折角、安倍内閣で国民投票法が制定されても、憲法改正論は停滞のままだ。自民党は改正原案を国会に提出すると言うが、議席数からその推進力には欠ける。

一方の「民主党は」というと、憲法に抵触する怪しい動きがある。外国人の地方参政権は、背後に何やら小沢さんの利権(民主党の票)が絡んでいるようだし、菅さんは「三権分立など憲法にない」と発言した。今まで三権分立は常識になっているのだが・・。

民主党は、政治主導を大義名分に、法制局長官の国会での答弁を禁止した。歴代の憲法解釈を党のその時の都合で変えようとしているのだ。

このほかに、「旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし」という。これまでの悪い習慣を捨てて、何事も道理に基づいて行いましょうと言うことだ。悪習を棄てようとしても、議員、官僚には利権に係わることであり、棄てることは並大抵のことではない。

広く人材を求めると言っても、今の選挙は、辻立ちと握手で顔と名前を覚えてもらうことが基本で、手っ取り早くはテレビ出演の多い人間が候補にあがる。どんな政策を持っているのかは二の次である。
辻立ちや握手、知名度ではなく、その人がどんな主張をしているかだ。しっかりした考えを持っている人材を国会に送り出し、十分に議論されているかどうか監視を怠ってはいけない。
写真:五箇条の御誓文 明治神宮にて 出展は「五箇条のご誓文」明治神宮社務所発行

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