2010年5月19日水曜日

こんな政党政治は、求めていた政治ではない




求めていた政治は、クリーンで、開かれた政治だが、政権交代後の民主党政権を見ていると、これが求めていた政治とは言い難い。民主党による政党政治は、ただ「反自民」だけの稚拙で、民主政治を推進できる政党ではない。

50年以上続いた自民党による長期政権で、政官癒着構造、公共事業に群がる利権誘導、行政への十分な監視を怠ったために明らかになってきた年金制度などをはじめとする数々の制度疲弊が国民の反感を買った。

自民党の長期一党支配が何故可能だったのか。良く聞かされたのは、自民党の中にも野党的存在の派閥があり、主流派のコントロールをしていた。しかし、中央官庁の腐敗は許し難いモノであり、自民党が政権の座から引きずり降ろされたのは当然の結果かも知れない。

しかし、今民主党政権になってどうだったか。これが求められていた政権の姿とはとても思えない。

司令塔なき政治ではビジョンが見えない。反自民だけの政策だったために、現実問題で躓いた。マニフェストに掲げた政策も政権を取りに行きたいが為の非現実的な政策だった。高速道路の無料化などは、特異な政策提言に飛びついた稚拙な政治手法のようだ。

「政治のやり方を根本的に見直す」約束は、事業仕分けで実践されているのだろうが、選挙を優先する民主党との対立もあり、どちらが国民目線なのかと問いかけたくなる。

政治の姿勢が問われる「政治とカネ」の問題では、何ら自浄作用が起きてこない。寧ろ選挙屋選挙後の政界再編を考えると、小沢さんの存在は欠かせないと言う。

こんな政党に政治を任せられるのか。

世論調査でも、1社を除いては、まだ民主党に期待している向きがあるが、内閣支持率は下落の一方だ。事業仕分けもパフォーマンスと見透かされ、重要課題は先送りで何ら解決されていない。

参院選に向けた各党の対策もおかしい。

新党立ち上げで新風(?)を起こすのかと思ったら、候補者は何と元自民党の訳あり候補者が多い。票集めのためにタレント、スポーツ選手、歌手、芸能人が多いが、やりたいことは「スポーツ振興」では心許ない。民主党は、支持団体である連合の幹部と地方行脚を始めるという。連合や新たに支持団体になった組織は、「政治とかね」の問題をはじめ、その立ち位置はどうなんだ。政権寄りか、国民目線なのか。こんな状態では、権力志向としか思えない。

更に悪いことには、選挙対策のために政策が本来の筋から外れていることだ。選挙に不利になるような提言は極力避けている。こんな状態で政党を選択すると大間違いになる。

公約はBパッケージであるために、「この政策はこの政党」と選択することが出来ない。結局は「悪さ加減の少ないのはどの政党か」と言うことになる。

鳩山、小沢さんがトップ2人では、旧自民党より悪いが、一方で野党に転落した今の自民党の発言が最もらしく聞こえてくる。

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