2010年10月2日土曜日

菅首相所信表明:有言実行は、まず国会審議の改革から


何一つ実現せぬまま、首相が替わるたびに政治課題だけが積み重なっていく所信表明だったが、やっと有言実行が唱えられた。しかし、総理は菅さんだ。党内支持基盤も弱く指導力にも疑問が持たれているが、内閣支持率はたかかった(中国漁船衝突事件までは)。

これからは先送りされていた課題を実行することであるが、頼みであった内閣支持率も、中国外交で弱腰を見せつけ下落傾向だ。

どの政策を取ってみても急がれる課題であるが、直ぐに成果が出てくるモノはないが、補正予算、円高、デフレ対の経済対策は急務だ。

さらには中国漁船衝突事件に絡み安全保障も重要になってくる。処分保留のまま船長を釈放したことが、「政治介入ではなかったか」と野党は追及している。普天間問題とあわせて国会は混乱するだろう。

「ねじれ国会」で法案が通らず、12月或いは来年3月には政権が行き詰まり政局になるとの見方が多い。メデイアはしきりに政局の再来を報じ、その時は小沢さんが出てくるらしい。

菅内閣を支持するわけではないが、そうならないためには野党にも責任がある。国民の生活を重視するのであれば、国会審議を尽くすべきだ。菅さんが所信表明の結びで「熟議の国会」と訴えたが、その通りだ。

所信表明の政策課題を有言実行するには、まず国会審議から改革していかなければならない。

従来の国会審議を見ると、まず会期があり、短時間の法案審議のスケジュールがきまり、審議未了のまま強行採決で政府提案どおり通過する。委員会は子供には見せられない乱闘騒ぎだ。そもそもの原因は国会会期が短すぎる。

通年国会で、毎日開会し論議に時間をかけることだ。

委員会審議だって、野党が一本取れるかどうかが問題で、審議は平行線をたどり、質問者が話題を変えるまで延々と続く。なれ合い審議が明らかだ。

お互いに意地の張り合いで、政策を戦わす雰囲気ではない。おまけに官僚答弁を拒否しているので、素人同士の言い合いの雰囲気だ。菅さんが財務相の時、自民党議員が乗数効果で質問し、菅さんが立ち往生したことがある。予め質問事項が提出されているのにどうしてかと不思議に思った。

これが発端になり、菅さんは政治主導から官僚を頼る姿勢に変わっていった。官僚を嫌うのではなく、プロ集団である官僚の知恵も採用した国会審議が必要だ。

閣僚である答弁者が、ペーパーの棒読みでは情けないし、時間つぶしの審議になる。

政策が効果を現すのは、数年後だろう。しかし、国会審議の改革は直ぐに出来る。私達が選んだ代表者である国会議員が、政党や支持団体に拘束されず全国民の代表として審議、評決出来る国会改革こそ急がれる改革である。
写真:有言実行内閣、「熟議の国会」を訴える菅総理の所信表明演説 2010.10.1TBS ニュース23クロスより

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