2012年6月15日金曜日

民主党の功罪:政治の流れを変えることが出来たのか


近くて遠い仲? 自民党と民主党
左手奥に自民党本部、右手奥に
民主党本部 歩いても5分とかから
ない近さだ

民主党政権って何だったのか。政治の流れを変えることができたのか。まだ民主党政権が終わったわけではないが、政権交代なった民主党の功罪を考えざるを得ない今の政局なのだ。「政権交代してみませんか」、民主党議員の呼びかけは民主党支持者でなくても「ここらで一度」と思ったぐらいだ。

そして今、自民党政権よろしくたらい回しで総理の座を射止めた野田総理は、民主党マニフェストになかった消費税増税に向け突き進んでいる。増税、増税というと増税が先行する誤解を与えることを危惧し、社会保障と税の一体改革と言い出した。

増税が党内を分断、採決で造反する動きが出てきて、反対派に見切りをつけ、同じ消費税増税を謳う自民党にすり寄り、今民・自・公3党による修正協議で合意にこぎつけようとしているが、各党の思惑もあって時間がかかりそうだ。

社会保障では、自民党は「現行制度を基本に」と考えているが、民主党は改革をしようと、最低保障年金制度、後期高齢者医療制度廃止を譲らない。合意を急ぐあまり棚上げ案も出ているようだ。

消費税増税については、低所得者救済では対策が違うようだが、増税は民・自考えは同じだ。3党修正協議は、民主党の政策に修正を加え、自民党の政策も内容が変わってきている。

兎に角、増税したい民主党・野田政権、合意、採決で解散させたい自民党・谷垣総裁の妥協が15日にできるかどうかだが、党内手続きというハードルが立ちはだかっている。

それはそれとして、民主党は政治の流れを変えることができたのか。

財政再建の必要性、消費税増税は以前からも言われていたこと。自民党政権でも小泉総理は「自分の間は増税しない」と増税が有権者に嫌われることはわかっていて手を出さなかった。

年金制度もこのままでは行き詰まることも分かっていた。

無駄の削減の必要性も当然のことだ。確か小泉さんが郵政民営化に突進した時も、理由の一つは、カネの無駄な使い方を削減することだったと思う。

自民党政権が十分に取り組まなかった政策を民主党は果敢に挑戦しようとした。反自民の姿勢でマニフェストをつくってしまったが、政権に就くと予想はしていたが、財源という現実の壁は高く、おまけにリーマンショック後の税収の落ち込みは想定外だったのだ。

そして、3.11大震災、それに続く福島第一原発事故だ。復興財源、東電支援に莫大な金がかかるようになった。赤字国債は膨らむ一方だ。景気も停滞する中で、復興需要が景気回復に役立ってきたとは言うものの、その影響は限定的と見られている。

稚拙な政権運営、相変わらずの党内抗争、想像絶する人材不足、後を絶たない「政治とカネ」の問題などその責任を問われる民主党政権だ。これでは自民党政権と変わらないという批判も受けなければならない面も多い。

だが、自民党政権との違いを出そうとした努力、何とか政治の流れを変えようとした努力は認めるべきではないか。総理や閣僚ではなく、中堅の政策マンを見るとそう思えて来る。

今、民・自・公3党の連立政権の構図も見られるが、解散・総選挙で新しい政界の構図を変えてほしいものだ。

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