2013年5月13日月曜日

民主党大反省会:一番大変な時に政権を担った菅元総理ではなかったか


11日の民主党大反省会のニュースを見て、参加者から批判ばかり受けた菅、枝野、長妻さん達だが、一番大変なときに政権を担った菅元総理達ではなかったか。政権を取る前は人気のあった菅さんだが、何故こうも評判が悪かったのか。

何しろ1000年に一度の未曾有の大震災に遭遇し、更にあってはならない東電・福島第一原発のメルトダウンによる広域の放射能汚染の対応に陣頭指揮を執らなければならなかった菅元総理の心境はどうだったろうか。

最高指揮官として一番情報が欲しいところだが、こういうときに限って情報は迅速に入ってこないものだ。訓練をしていたと言ってもペーパーのシナリオ通りの訓練では役に立たない。これは前の自民党政権時からの緊急事態への対応の不備であり、官僚組織も未曾有の事態に対応する能力に欠けていたことになる。

必然的にまず現場がどうなっているのかを知りたいものだ。自衛隊機で現場に向かった菅元総理の気持ちは分かる。東電本社に乗り込み対応を指示し、合同本部を設置したことも当然だろう。

現場に飛んだことが、現地の事故処理対応に影響したとか、東電に乗り込んだときの言動が批判されていたが言う者は何でも言うのだ。

汚染地域の住民の避難指示、汚染シミュレーションの公開が遅れたことは批判されてしかるべきだと思うが、生データの公表はいろいろな思惑が絡み合う。総理として一番混乱を少なくするのはどうしたらよいかを考えたはずだ。それがデータ隠ぺいであってはならない。

菅政権でなく、自民党政権だったらうまくいったのかと考えると、自民党政権だって同じことではなかったか。

菅さんは、自民党の谷垣さんに「与野党協調でこの大震災にあたらないか」と、副総理兼復興相での入閣を打診したが、重要な話を電話だけで進めようとした為に失敗に終わったらしい。

うまくいっていたらその後の展開も変わっただろう。また、自民党もここで協力してうまく処理し、民主党政権に点数を稼がせることに抵抗があったとしたら、自民党の了見の狭さを感じる。でも政治ってそんなものなのだろう。

中国漁船の領海侵犯事件での処理も誤った。直接は菅さんはやっていなかったようだが、APECを控えて中国の立場を考えて、那覇地検の判断で即時釈放し早期解決に出た。当時の仙石官房長官の「那覇地検の判断」という説明は政治不信に輪をかけた。誰だっておかしいと思う理由を真っ当らしく主張する官房長官の器の小ささに驚く。

そして参院選を控えて、唐突な消費税増税宣言も勇み足だった。菅さんも「多くの仲間を失ったことは申し訳なかった」と反省の弁だ。財務相経験から先進国一悪い政府債務問題を解決するために増税に打って出たのだろうが、民主党内での議論も熟して居らず大敗を帰した。

自民党も消費税増税10%を公約に挙げていたが、如何にせん与党と野党の違いだ。自民党は無傷に終わった。

また、民主党の一番の売りは「政治主導」で、その任務を負うのが国家戦略局で菅さんが担当相に就任し、期待されたが失敗に終わった。組織も法律の整備もされておらず、何から手をつけてよいか分からなかったようだ。

それが官僚たたきになった。事務次官会議の廃止などに手を付けたが、官僚も黙ってはいない。民主党政権、菅元総理のネガテイブな情報を流すことにより、政権の評判を落としていった。

さらに、鳩山さん、小沢さんの政治資金規正法に絡む疑惑の続出、大風呂敷になったマニフェスト、それでもマニフェスト回帰を主張する小沢一派、小沢さんとの確執は「民主党ってなんだ」ということになった。

民主党は一番大変な時に政権を担うことになったが、未熟な政権運営で国民の信頼を失うことになった。

民主党再生の道は見えてこない。自民党の圧倒的な強さに消滅の危機でもある。

落ち目の民主党が反省会をやるのだからネガテイブな指摘しか出ないと思ったし、実際にそうなったが、政治は魔物だ。その背後の事情もしっかり考えて反省すべきである。

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