読売新聞2014.5.9 |
25年後の2040年までに、若年女性が半減し人口減で896の市区町村が行政機能を維持できず、消滅の危機に直面するという衝撃的な人口推計を「日本創成会議」が公表した。
何となく感覚では分かっていたが、数字で示されると驚くばかりの結果だ。過疎化が言われて久しいが、山間部は当然としても中核都市(函館市、旭川市)、県庁所在地(青森市、秋田市)も例外ではないのだ。
東京集中に警告を発しているが都会の真ん中でも小学校が廃止になったり、過去にはモダーンな都市作りで脚光を浴びた巨大団地も高齢化で自治会の運営もままならなくなっている。
都会は都会で問題を抱えているのだ。買い物難民も過疎地で問題になっているが、年を取り足腰が弱くなると都会だって買い物難民になるのだ。決して他人事では無い。
この回避策として出生率1.8,世帯年収500万円が提言されている。
しかし、出生率1.8は20年ほど前に内需拡大で前川レポートが提出されたが、その低減の中にも出生率1.8と言う政策が提言されているのだ。何故、今まで出来なかったのか。
女性が子育てしやすい環境整備が各政権で謳われていたが、住環境、子育て支援がマッチせず成果が出ていないのだろう。
また、世帯年収500万円も田舎で稼げる仕事があるのか。山間部をドライブすると目につくのは土建会社だが、それだって経営は大変だ。道路工事や急斜面の擁壁工事、架線工事が目立つ程度だ。
個人商店などはシャッターが閉まっているのが目につく。そんな場所には決まって自動販売機が設置されている。
限界集落と言われて久しい。高齢化、人口減で地域で祭りも実施できないのだ。年配の女性が「私は隣村から嫁に来た。ここから出て行ったことがない」という。子どもは皆都会に出て行って帰ってくるのは年に2回ぐらいと言う。「ここでは仕事が無いので仕方ない」とあきらめ顔だ。
小さいときは自然に囲まれて子育てするのも良さそうだが、学校教育と言うことを考えると決心が付かないのだ。
こういった過疎村では決まって古民家、田畑つきでの移住を斡旋し、成果を出しているようにも思えるが、夫婦共に元気な内は良いが一人になったり、病気すると生活の維持が大変になる。公共交通機関がないことは、生活の足を奪われたことになるのだ。
又、最近増えてきたがこういった過疎地は集中豪雨などの自然災害に脆弱なのだ。危険なことは分かっていても対策が後回しになる危険もあるし、一旦災害が発生しても復旧には莫大なカネがかかることがある。投資効率を考えるとそうはいっておれない。
しかし、中核都市でも消滅の危機にあるなんて驚く。観光ばかりでは食っていけないのだ。
新聞報道で、若年女性の減少率ワースト1位に群馬県南牧村が上がっている。89.9%減だそうだ。
南牧村 フォトビュアー GOOGLE |
私も群馬県に住んでいたとき、東電神流川発電所を見学するために南牧村の道の駅「オアシスなんもく」に行ったことがある。発電所は地下500mにあり、2億年前の地層に振れることが出来ると言うことで見学したのだ。あの御巣嵩山の登山口がある。
南牧村のHPによると人口2700人、1304世帯、118.7km2で山間部の過疎地だ。産業というと花の栽培、武道、こんにゃく、リンゴ、たらっペ、ブルーベリーなどの農産物だ。
上越自動車道下仁田ICから1時間と言うが、両側を急斜面の山に囲まれた川沿いを走るのだ。
ご多分に漏れず古民家での田舎暮らしを体験→移住の運動をしている。
人口減は経済に影響を及ぼすばかりでなく自治体の行政維持が出来なくなる大きな問題を含んでいるのだ。
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