2014年5月30日金曜日

拉致問題、集団的自衛権、成長戦略、野党再編:安倍総理に追い風か、向かい風か

混沌としてきた野党再編、突如湧いてきた北朝鮮拉致問題、国民の半分は否定する集団的自衛権、そして6月に発表になる見直し成長戦略と山積する政治課題で追い風は誰に吹くのか。安倍総理は?

日本維新の会の分裂は当然の帰結で寧ろ遅すぎた。維新の会と結いの党の合流から野党再編が進むのか。再編にイニシアテイブをとり大阪都構想を優勢に進めたい橋下さんだろうが、慰安婦問題でけちをつけた付けは大きい。堺市長選でも見られるように地元でも大阪都構想は理解不足だ。

江田さんの結いの党と再編を狙うが、憲法改正、集団的自衛権でどうなるか。数あわせの合流では笑われるだけだ。

一方、石原さんの新党に10~15人がついて行くというが、石原ブランドには陰りが見られる。ポスト石原が誰か。平沼さんが上げられるだろうが28日の名古屋での維新の会の会合後、分党が決まり新幹線のホームで質問する記者に「うるさい あっちに行け」と怒鳴っている姿を見て、この人は終わりだと思った。

野党再編と言いながらイニシアテイブが取れない野党第一党の民主党にあって、海江田さんの存在感は薄い。寧ろ「海江田おろし」にどう対応するかだ。代表選を前倒しし、自分に党再生の妙案があるのであれば出馬すれば良いだけの話ではないのか。

岡田さん、前原さんの動くに注目だが、玄葉さんを除いて何故か、実力者の動きが鈍い。日本維新の会の分裂が民主党にも波及すれば、面白くなってくるのだが。

安倍さんはどうか。

前のめりの憲法解釈見直しによる集団的自衛権行使では、国民の賛否は半々だ。メデイアの世論調査の結果も賛否両論だ。無理を通せば支持率は下落だろう。

そこで湧いてきたのが北朝鮮・拉致問題を進展させようという動きだ。今まで何回も騙され、口汚くののしられっぱなしの北朝鮮が方針を変えてきたというのだが、一概に信じられない。想像以上に国内経済の疲弊で北朝鮮が折れてきたのだろう。

発表によると経済制裁の解除などが上げられている。
今まで記者の囲い込み会見を断ってきた安倍総理が、わざわざ実施し説明したと言うことは、並々ならぬ決意があってのことだろうが、制裁一部解除も調査開始と結果ははっきり区別しなければならない。

何やら裏取引もあるような感じだが、メデイアは評価する意見が多い。

安倍さんは、「私の政権で拉致問題を解決する」と力説していたが、だからといって譲歩に譲歩で得るものがなかったというわけにはいかないだろう。

安倍さんにとって重要なのは、新しい見直し成長戦略だ。アベノミクスの集大成であるし、市場がどう反応するかがポイントになる。利権がらみの官僚組織にどう対応するか。岩盤規制解除が出来るかだ。

市場は、目新しい成長戦略はないだろうとみており、海外投資家の日本株のたたき売りで株価下落が予想されている。

安倍総理はアベノミクスの評価は株価と言っていたが、その株価も14000円台を右往左往している状態だ。追い風が吹くとは思えない。

更に、消費税10%への決断が待っている。8%への増税の反動が想定内だったのかどうか分からないが、増税に次ぐ増税では国民も黙っていないだろう。

うがった見方では、支持率の高いうちに解散→総選挙の話も出て来ている。安倍さんの暴走にブレーキをかけるには公明党にがんばってもらうしかない状況だ。

安倍さんを始め、追い風の吹きそうな政治家は見当たらない。


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