選挙も終わって、風で散る選挙ポスター 東京・大田区久が原にて 2014.12.18 |
今回の衆院選の投開票が終わって見れば投票率52.66%の驚くべき低率で、安倍自民の獲得票率から考えると全有権者の25%の支持になり、これで安倍・自民は勝ったと言えるのか。満面の笑みで候補者ボードに赤いバラを付ける安倍さん以下、自民党幹部の姿を見ると呆れかえる。
一方、野党第一党の民主党の会見場は異様な感じだった。マイクの前に座っている枝野さんの顔は冴えなく、後ろのボードは地域が表示されているが、今までの立候補者の名前は書かれていない。全選挙区に候補者を立てられなかった負い目があるのか。
16日の新聞の「都道府県別の党派別得票数・率」を見た。
小選挙区の自民党、民主党の得票率から自民党は全有権者数の25%の支持で小選挙区で222議席確保、民主党は全有権者数の12%の支持で38議席の確保となった。
投開票前から投票率の低さは指摘されていた。前回の政権交代の可能性があった衆院選で約60%、今回は争点が今までの2年間の安倍総理の経済政策・アベノミクスの是非を問う選挙で約52%の投票率になった。
1票の格差を憲法違反と主張する弁護士団は、またまた裁判所に提訴した。48%の有権者が投票権を捨てているのをどうかんがえるのか。1票の格差を議論する前にどうすれば投票率を上げることが出来るか。政治に参加させることが出来るか。
獲得票率に反して獲得議席数の乖離をどう改善するか。そっちの方を問題にすべきでは無いのか。
それは別として、安倍さんはうまい戦術に出たものだ。安倍カラーと言われる政権公約を背後にやって、経済政策であるアベノミクスの是非を問うた。街頭演説では数字を上げてアベノミクスが成果を出していることを主張した。
そして、成果が見られない分野では次々に新しい政策を打ち出し補正予算化する。タイミングからして買収行為だ。それで更に期待感を高めて支持層を増やす魂胆だったのか。
民主党代表だった海江田さんは経済評論家だが、アベノミクスへの突っ込みが不十分だったのか。民主党への支持は広がらなかった。「解散・総選挙をやるならやりなさい。受けて立ちましょう」と威勢の良いことを言っていた海江田さんだが、民主党への信認が未だ回復せず。全選挙区に候補者を立てることが出来なかった・
安倍さんの経済政策であるアベノミクスで「この道しかない」と言うが、この道の先にどんな国民経済社会があるのかの説明がなかったはずだ。考えられるのは円安不況によるスタグフレーションであるが、行き過ぎた物価高をどう制御するか、円安の進行にどう対応するのか。テレビへの安倍さんの生出演でも言及はなかったと思う。
勿論、安倍さんの嫌いな質問を避けるようにテレビ局が腐心したのだろう。安倍さんの幼稚性を批判するメデイアも出て来た。
安倍さんは全有権者のたった25%の支持でも大勝したと勘違いして今後は政権公約に掲げた政治課題に全力を尽くすという。その中には国民を二分する政治課題もあるのだが、私たちはどう判断すれば良いのか。
ところで今回の選挙はいろんな問題をさらけ出した。群馬小選挙区がその代表例だ。
群馬5区では杜撰な政治資金収支報告書を提出し閣僚辞任、関係者の事情聴取、家宅捜索を受けた小渕優子さんが次点を大きく引き離し当選した。「一からの出直し」と言うが疑惑は一向に晴れないなかでの立候補は物議を醸す結果になった。
公認した自民党も問題だが、立候補した小渕さんも「何を考えているのか」と批判されても仕方ない。
又、群馬1区では女子学生との援助交際が問題になり、県連が候補者の公募を希望していたが自民党は公認し立候補、当選した佐田玄一郎さんがいる。
また群馬選挙区は世襲議員が多い。3区の笹川さん、4区の福田さん、5区の小渕さんそして比例で尾身さんが当選した。新しい意欲のある人材の立候補意欲を削ぐ事態になっているのではないか。
自民党の驕りとしか言いようのない状況が群馬にはある。
読売新聞(2014.12.17)の世論調査によると、自民党が圧勝した理由の設問に、「他の政党よりマシだ」と答えた人が65%だという。あの稚拙な政権運営をした民主党に信認が帰っていない状況だ。
野党の準備不足、敵失に助けられての自民の勝利は「積極的な勝利」ではなかったのだ。
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