2014年12月29日月曜日

STAP細胞疑惑解明(1):このままでは野依イニシアチブに反していないか

野依イニシアチブ
理研HPより
今回のSTAP細胞論文捏造事件の解明は、調査委員会の「ES細胞に由来する可能性が高い」という結論で幕引きされそうだが、このままでは野依理事長の理研運営に関する5つの基本方針「野依イニシアチブ」に反していないか。

野依理事長は理研のマネージメントとして「野依イニシアチブ」を掲げているが、今回の疑惑解明では研究の質の重視・「理研ブランド」:特に輝ける存在、「見える理研」にも大きな疑問符が付かないか。

そして「自由な発想」は大切なことだが、偽科学に騙されてはいけない。本当なら社会に大きく貢献出来る研究だったはずだが研究不正防止のための研究者の倫理教育にしか役に立たなかった。

理研の野依イニシアチブを実践するのであれば、もっと突っ込んで、何故このような捏造事件が理研で起きたかを検証し国民に報告すべきではないのか。

調査委員会は実験に基づかない捏造、改ざんなどでSTAP細胞論文の研究基盤は崩壊したと断じた。ES細胞の混入の疑いが濃厚なのだが「誰が混入させたか」の解明までは出来なかったという。小保方さんを始め関係者が全員否定したのだ。

多くの専門家は解明不十分としたが、理研は「これ以上調査することはない」とコメントする。これ以上やると理研の恥部、噂にもなっている諸々の利権構造まで暴露されることを恐れているのか。

26日の野依理事長のコメントも「社会の信頼を損ねる事態を引き起こしたことを改めてお詫びする。信頼回復に全力を尽くす」という内容のものだった。自分の掲げるイニシアチブに反していることをどう考えているのか。

自分の運営方針とは違う方向で理研の現場が動いていたことに恥ずかしさを感じないのか。

当然に理研トップの責任の追及になるが、野依理事長は既に報酬の1/10カット、3ヶ月の自主返納の処分、他の理事達も同様の処分を発表している。これで処分は終わりと言うことになるらしい。余りにも軽い処分に呆れかえるばかりだ。

、文科省の指導はどうなっているのか。「小保方さんを検証実験に参加させろ」程度のことしか言えないのか。

又、小保方さんは調査で「若山さんの期待が大きかったのに答えた」とも証言しているらしい。そうだとすると今は理研の研究者ではないが若山さんの責任はどうなるのか。以前、「理研の処分を見て自らの処分を申し出る」と発言していたが、これで安泰と言うことか。

それにしても日本の科学界の信頼を大きく失墜させ、世界的研究者が命まで絶ったSTAP細胞捏造事件がこのままで幕引きになるとは驚きだ。

野依理事長を始め、理研トップに理研改革を云々する資格はない。年間834億円の助成金を使っている理研をこういった連中に託して良いとは思えないのだが。



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