2016年11月2日水曜日

日銀、物価安定目標度重なる先延ばし:それでも2%か、1%ではダメなのか

2%物価安定目標の達成が無理で18年度に先送りされた。長いデフレ期間でデフレに慣れ、原油価格も下落、新興国の経済停滞と未達の要因は挙げられるが、それでも2%を目指すのか。0.5~1%ではダメなのか。市場にカネをジャブジャブ流す異次元の量的緩和であれば2%を目指す必要があるが、0.5~1%では、白川・元総裁の政策で十分だ。

白川・元総裁時代も日銀は市場におカネを流しており、だから結果として今のような多額のカネを流したことになったのだと元・日銀職員で今大学の教員をやっている人は言うのを聞いたことがある。異次元の緩和など必要なかったのだと言いたいようだ。

13年春の「2年、2倍、2%」は威勢の良い、わかりやすいスローガンとして市場の耳触りも良く期待感を煽った。円安、株高に進み安倍政権のアベノミクス、黒田日銀は国民にも信用を得たのは束の間、想定外の要因も重なって2%物価安定目標達成は先送りの連続となったが、日銀はその都度言い訳で逃げた。

市場も決定会合が近づくと「追加緩和」を要求、日銀が答える格好で儲けることが出来た。しかし、度重なる先送り、出口戦略も見えない異次元の量的緩和に不信感を抱いてもおかしくはない。

最近の決定会合で追加緩和せず、現状維持の政策決定に国民も市場も日銀政策の限界を感じる。でも日銀はとよがりを言い、2%目標を目指すのだ。

2%目標を諦めることはアベノミクスの破綻であり安倍政権はぶっ飛ぶ。一時解散風が吹いたが今、安倍総理の要望で吹き止んだようだ。2%先送りは信用を失い安倍政権には不利だ。

そもそもこの非伝統的金融政策である異次元の量的緩和は正統派経済学者には評判が悪かった。そのリフレ策を安倍総理に提言したのが山本地方創生相だと聞いたことがある。今までの金融政策で円高でダメなら、逆に市場にジャンジャンカネを流せば円安になると考えたのか。

民主党から政権を奪取する総選挙で自民党の候補者は、猫も杓子も「市場にカネをもっと流せ」と街頭演説した。
それが今、400兆円になったがなかなか円安にはならない。世界経済で何かあると安全資産の円が買われ円高になる。日銀の金融政策など影響しないのだ。

国、地方の借金総額が1050兆円、対GDP200%、財政健全化が喫緊の課題であるが2020年度の黒字化を掲げるだけでどの政権も無責任だ。でも安倍総理が総裁任期を延長すれば、直責任が問われる事になる。

ここで量的緩和の縮小に出たらどうなるか。市場に流れる円が少なくなるが円為替には影響しない。FRBが利上げすればドル高、円安だ。


黒田総裁、岩田副総裁は引責辞任し、日銀は金融政策正常化へ舵切りをすべきだ。安倍総理の恣意的人事の解消の手始めになる。

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