2014年6月25日水曜日

IOC現地調査:続く計画見直し、2020年東京オリンピック誘致で何を訴えたか

25日から2020年東京五輪、パラリンピックのIOC現地調査が始まるという。新聞紙上では新国立競技場の計画見直し、東京都の関連施設見直しが報道されているが、東京誘致に何を訴えたか、誘致合戦時の公約違反にならないのか。

東京、イスタンプール、マドリードの誘致合戦で東京が勝ったが決め手が分からない状況だった。

イスタンプールは政情不安、交通インフラの不安が上げられ、マドリードは国内経済危機、国内デモ、そして行き過ぎた誘致活動が委員に指摘されていた。

一方、勝ち取った東京は半径8km圏内85%の施設を確保する「コンパクト五輪」、「質の高い綿密な計画と安全な大会」、資金面では東京が4500億円を準備し、運営費は3000億円を見ているが赤字の場合は政府が財政を保証するとまで言った。

又、福島第一原発事故に関して「汚染水は完全にコントロール下にある」とまで言い、安全を世界に宣言した安倍総理だった。


だから東京はインフラ整備、財政面で評価されたとみるのだ。財政赤字はGDP2倍、1000兆円以上、先進国で一番借金があることなど忘れている感じだ。

ところが、「質の高い綿密な計画」が、ここにきてヘルメットに似た奇妙な感じの新国立競技場が建設費が1600億円と高すぎ、周囲の街の環境を害する恐れが指摘され設計変更になり、カヌー等の競技場だった葛西臨海公園は野鳥の楽園ということで他の場所に変更、そのほか半径8km内におさめようとした競技場を郊外、さいたま市などの既設の設備を使う計画が持ち上がった。

建設資材、人件費の高騰等による建設費の高騰で計画変更は当然としても当初からそういう不安視はなかったのか。

開催候補国の政情不安などが上がった時に、IOC委員は「今よりも6年先を見越して開催地を決める」と豪語していたが、東京は1年もしないうちに計画変更を余儀なくされる羽目になった。

安倍総理は出張先のロシアから急きょアルゼンチンに跳び、森元総理や猪瀬前知事など日本のアスリートたちが飛びあがって喜んだ東京決定の瞬間は何だったのか。

そして、これがオリンピック精神に反していないのかと疑いたくなる相変わらずの誘致運動、長野冬季オリンピックではそういう誘致運動に不審なカネの使われ方が問題になった。追及しようにも資料がなくなったとあやふやまま追及も終わった。

年々豪華になる演出、高騰していく建設費は開催都市や国の財政負担になるはずだ。w杯が開催されているブラジルでは「もっと国内政治に関心を」とデモが発生した。

日本だって決して他人事ではない。新陸上競技場計画は大会後の維持管理で巨額の費用が発生するらしいが、だれが負担するのか。

今回の東京オリンピック誘致での誘致を勝ち取りたいための大風呂敷の計画から、建設費削減のための計画変更は、今後どの国でも言えることだ。

IOC委員会が、自ら反省する機会ではないか。

そして東京開催はIOC現地調査の結果、持ちかえり検討し公約違反で次点の開催候補地に変えるか、そのまま東京で進めるか、後々悪例にならぬようにしっかり検討すべだ。

オリンピックで国威の発揚、経済への波及効果も期待できるが、オリンピック憲章をもう一度考え直す時ではないか。

誰のためのオリンピックなのか。





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