2014年6月11日水曜日

農業、雇用改革など新成長戦略:安倍総理は岩盤規制へのドリルの刃となったのか

新成長戦略の骨子
読売新聞 2014.6.11
農業、雇用など規制改革、構造改革の姿が見えてきた。安倍総理は当初国内、海外で「岩盤規制に穴を開けるドリルの刃となる」と豪語していたが、譲歩を含めるとドリルの刃は欠けているのではないか。

ここ数日、新聞報道で見直し成長戦略の骨子が見えてきた。混合診療の拡大、農協の改革、雇用改革、法人税改革、国家戦略特区の強化、企業育成、教育・研究開発改革、TPPなどが上げられ、10日の産業競争力会議で審議後、月内に閣議決定するという。

安倍総理は機会ある毎に「大胆に決断し、実行に移していく」というが、全てはアベノミクスの評価でもある株価の上昇を狙っているのだが、その通りに市場が反応するのか。

11日の東証株価は10時で56円高の15051円の値頃でNY市場の4日連続の上昇の影響を受けての株高のようだ。為替は102円30銭ほどだから15000円台なのだろう。

ところが、安倍総理の威勢の良い発言とは別に、選挙や利権者の抵抗に遭い政策課題に名を上げるも、内容は譲歩に譲歩の繰り返しのようだ。

雇用では、2060年には労働人口が今の6600万人から4000万人に激減するために労働力確保のために移民政策をとり、技能自習生の受け入れを検討しているが、過去にこれを良いことに企業の違法行為が頻発した。

又、問題になっている労働時間に関係なく成果で賃金を払う制度は残業代ゼロで長時間労働が続く懸念が持ち上がり年収1000万円以上に絞り込まれたが、厚生労働省との戦いだったようだが、審議会で制度設計することで協議が整ったらしい。

農協改革も当初は「全中の廃止」だったが、来春の統一地方選も控えて自民党農林族の反対もあり、全中の実権を弱めるとは言うが、自律的な新しい組織に変えると言うことで全農や農林族に屈した格好だ。

それでも、岩盤規制を守ろうとする既得権益者たる厚生労働省や全農を相手に規制改革をやろうとしている姿勢を見せたのだ。

又、法人税下げも25%と言う数値は記せず20%台に譲ったが、「引き下げ」は取り下げなかった。

ところが一方で、安倍総理は集団的自衛権で憲法9条解釈にもドリルの刃で穴を開けようと目論んでいる。これには与党である公明党が個別的自衛権、警察権の拡大で対応できると従来の憲法9条解釈を守ろうとしていたが、何やら公明党が譲歩しそうな動きになってきた。

このままで行くと13日に政府案審議、20日に閣議決定で安倍さんの言う今国会で閣議決定を達成しそうだ。

憲法にドリルで穴を開けて欲しくないが、このままで行くと既得権益者には勝てない改革が進むのか。


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