2014年6月26日木曜日

アルゼンチン政府のデフォルト意見広告:いつも、どこでも経済秩序を乱す米投資ファンド?

アルゼンチン政府の意見広告
朝日新聞2014.6.25
朝日新聞(2014.6.25)にアルゼンチン政府の意見広告「アルゼンチンは債務返済を継続したいが、継続させてもらえない」という妙なタイトルの意見広告が載った。読むと米投資ファンドが秩序を乱しているらしいのだ。

16日、米最高裁はアルゼンチン政府に対して全額債務返済を求める米ファンドなどの訴えを支持した結果、アルゼンチン政府が今までやって来た債務返済を継続できなくなり、再びデフォルトの危機が迫っているのだ。

アルゼンチン政府は、少数のどん欲なファンド「投資家」のせいでアルゼンチン国民を苦しめ続ける長期間の債務不履行紛争の解決に向け、公正でバランスのある交渉条件を推進する司法判断を期待すると訴えるのだ。

この意見広告の中で、90%以上の国債保有者が70%カットの債務履行に同意していたが、7.6%のファンドなどが再編に応じていなかった。このファンドが全額返済を要求し裁判を起こし連邦地裁判決と最高裁上告棄却でアルゼンチン政府が負けた。

ところが、この投資ファンドなどは元々の貸付人ではなく、デフォルト債を安値で購入した人たちで、あるファンドは、この判決で1600%の儲けを出すことになったという。

アルゼンチン政府の意見広告は朝日新聞だったが、関連記事が読売新聞(2014.6.26)「アルゼンチン再び債務危機」に掲載された。

アルゼンチンのデフォルトは、ギリシャの経済危機でも話題になった世界初めての債務不履行で、2001年に1000億ドル(約10兆円)になりGDPの160%にあたり、日本の200%と比較されたことがあった。

その後、70%の債務放棄交渉に92%の人が同意し、今までアルゼンチン政府は1900億ドルの元利支払いを期限どうりに実施してきたという。

続く630日には22500万ドル、9月には6700万ドルの支払いが予定されていたが、今回の判決の結果、ファンドに全額返済しなければ、そのほかの利払いも行えないことになりデフォルトの危機になるのだ。

判決では630日に15億ドル支払えと言い、その後150億ドル(アルゼンチンの外貨準備の50%以上)の支払いが続くことになるらしい。

こういった考えを他の国債保有者に平等に支払うとするとコストは1200億ドルになり、再びデフォルトの危機にあるのだ。

しかし、意見広告に言うデフォルト債を安値で購入し全額返済を要求し1600%の儲けを目論む米・ハゲタカ・ファンドには呆れかえるばかりだ、

米国投資ファンドは、日本が2%インフレターゲット、異次元の金融緩和を実施したため株安→株高に移行、ファンドが大儲けした。

安倍総理は、アベノミクス評価のために年金基金を株に投資し株価をつり上げる姑息な手を打っているが、米国投資ファンドはここでも儲けを企んでいるのではないか。

正常な経済活動を崩しているのはハゲタカ・ファンドだ。



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