2019年6月22日土曜日

今日の新聞を読んで(263):消費税増税、憲法改正反対でも選挙になると自民が強いのか


参院選を控え自民党は強気の姿勢を示している。消費税増税10%、憲法改正を訴えて参院選に臨むのだ。今日の朝日新聞(2019.6.22)の世論調査を見ても自民党、安倍政権に不利な結果が出ているが、自民党の「勝つに不思議な勝ちあり」、野党の「負けに不思議な負けなし」ということになるのか。

安倍政権は消費税増税を決めた。世論調査では増税賛成39%、反対54%、しかも内閣支持層でも賛成48%、反対46%で拮抗している。

景気への影響については「大いにあると感じる」23%に対して「ある程度」50%、「感じない」25%だ。米中貿易摩擦で先行き不確実性が高まるも下降リスク、消費税増税で大きく変わることはないと見ているのか。

消費税増税分を国の借金返済に当てる使用目的が社会保障制度維持で若者世代にも恩恵を受ける目的に変更になった。財政健全化で将来の不安を払拭するか、今の不安をどう払拭するかの選択なのだ。

憲法改正だって国民の民意からすると緊急度は最低ランクであるが、安倍総理が熱意を示している。今までは野党が追及するも自民党は争点を隠し選挙に勝利してきたが、今回は正々堂々と訴えるようだ。なかなか進まない国会での憲法審議会に対して「選挙で訴えて勝つたぞ」と審議をプッシュするつもりなのか。

世論調査では半分以上の国民が「急がない」と言っている。

それと新しい争点が出てきた。安倍政権にとっては選挙で不利と見て必死に火消しをやっている「老後2000万円の生活費不足」と、「将来の年金水準の低下」「自助努力を促す意見」を当初案から削除して提出された財政制度など審議会の意見書だ。

金融審議会の報告書は政権の意に沿わないと見て麻生大臣は受け取り拒否、森山国会対策委員長は「なかったもの」と言い出した。財政制度など審議会の意見者はまずい記述が削除されたことで麻生大臣は受け取った。

国民にとってどの報告が重要かといえば、金融審議会の報告書だろう。受け取り拒否しないで素直に受け取り国民としっかり議論すべきではなかったか。

党首討論では年金制度維持のため政権は努力していることを安倍総理は訴えたが、国民は破綻するのではないか、否「すでに破綻している」と見ている。

アベノミクスは安倍政権の経済運営の主要は手段だったが、第一の矢の異次元の金融緩和策は一時の効果はあったが、目標の「2%物価目標」は6年たっても達成できず、「何かあると躊躇なく追加緩和」と黒田総裁は主張するが今回の世界経済の下降リスク局面でも緩和維持策しか出てこない。日銀得意の「様子見」だ。

「アベノミクスの恩恵を感じない」という疎外された国民、中小企業の経営者が多い。実質賃金はマイナス成長だが、安倍総理は総雇用者所得は増加していると実績を誇張する。

家計への再分配は野党が提唱しているように法人税下げや優遇税制など税制などの見直しが必要なのに、自民党政権は大企業、富裕層向けの政策しか頭にない。

それでも自民党は選挙になると強いのか。安倍総理はポピュリズム台頭に危機感を抱いて「悪夢のような民主党政権」とことごとく言う。

旧民主党の野党はどう払拭するか。

そして今まで消費税増税反対を主張してきた学識経験者、ジャーナリストは自民党から離れていくか。

「勝つに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」自民党はなぜ勝ったのか、野党はなぜ支持があがらなかったのか。そんな議論が再び出てきそうだ。

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