2019年6月28日金曜日

大阪G20首脳会議(2):全体会議より個別会談重視では安倍総理の手腕?

新聞を読めば読むほどわからなくなるG20首脳会議の結末、結局はトランプ大統領の意向次第と言うことになると29日の米中首脳会談の行方次第か。安倍総理は議長として成果を上げ参院選に突入したいところだろうが、トランプ大統領と習主席の橋渡しとして安倍総理の存在を国民にアピールできるか。

国民にアピールするには全体会議の成果より個別会談での成果だろう。

対トランプ大統領では、もちろん日米貿易交渉で自動車、農産物がどう扱われるかだろうが、すぐに結果がほしかったトランプ大統領が安倍総理の参院選を顧慮して8月まで公表を遅らせることにしたらしい。トランプ大統領は8月に「満足のいく成果」に期待をにじます。だとしたら安倍総理がまたまた譲歩しているのかと疑う。

トランプ大統領の意を受けてイランを訪問し「イラン核合意」離脱後の緊張緩和を狙ったが、会談中に日本のタンカー1隻を含む2隻がホルムズ海峡で何者かに攻撃を受けた。アメリカは即「イランの責任」とコメントし逆に緊張を高める結果になった。さらにトランプ大統領は「ホルムズ海峡での自国の船舶の航行の安全は自国で持て」と言いだした。海上自衛隊の派遣になるのか。

また、同盟国の軍備について軍事費の負担増を主張していたが、日米安全保障で「アメリカが攻撃されても日本は守ってくれない」と言いだした。在日米軍の問題に触れるが、在日米軍は何も日本を防衛するために存在するのではないはずだ。日本は基地の提供や莫大な軍事費を負担している。アメリカの役に立っていることの方が大きい。

これをきっかけに在日米軍の撤退問題が噴き出すことを期待する向きもある。

トランプ発言、抱いている不満の真意を確認する必要があるが、日米首脳会談では問題にしていなかったようだ。決定的なことは先送りしたいのだろう。

対中国でも以前と違って融和な雰囲気の握手をしているが、尖閣諸島での中国公艦船による領海侵犯、東シナ海ガス油田開発など勝手な行為が続いているが少しは改善できるのか。

対ロシアでは、もちろん北方4島の返還問題だが、プーチン大統領の平和条約締結後の2島返還が提案され日本は方針転換をしたようだがその説明がされていない。プーチン大統領は「返還しない」と明言している。安倍総理は真意を確認すべきだ。それとも経済開発行為を資金をむさぼられて終わるのか。

これらの問題の真意を追及し進展がなければ安倍外交は失敗なのだ。何が「得意な外交か」と言うことになる。

全体会議では首脳宣言あるいは議長声明でどう評価するのか。

気候変動での「パリ協定」の言及にはマクロン大統領が強い要求をしている。首脳宣言に同意しないというのだ。「保護主義」vs「自由貿易」ではアメリカを除いて「自由貿易の推進」なのだろうがアメリカの孤立化を回避し、トランプ大統領の機嫌をし損なわない対応がポイントもなる。トランプ大統領も貿易で多くのことを相談するとコメントしている。

結局は米中首脳会談次第だろうが、アメリカが追及する「産業補助金」「知的財産侵害」「技術移転問題」はほとんどが中国の構造改革問題だ。うっかり譲歩すると負けたことになる。

アメリカも負けてはいない。第4弾、さらにはもっと関税をかけるものがあるとけん制する。

第4弾の先送りの見方も出ているが、中国が何に譲歩するかだ。

大阪でのG20の成否は明日になってみなければわからない。トランプ大統領だって気が気ではない。米国では今、米大統領選に向け民主党が指名争いをしている。支持率でトランプ大統領を上回っていたバイデン前副大統領も気になるところだろう。

トランプー安倍の友好関係を損なうことなくどう対応するか。


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