熱海市で起きた廃棄物埋め立て物の流出による事故で警察が動き出した。真相究明にかかるらしいが、県や市は住民からの連絡にどう対応したのか。あの青森・岩手県境不法投棄事件の教訓を何故生かされなかったのか。
今回の熱海市での埋め立て物、廃棄物の違法投棄に対して地域住民が県や市、警察に危険がある旨の連絡を受けていたはずだ。それに対してどう対応したか。
業者や土地所有者に警告することは当然としても法的対応がどうだったのか。よく言われることはそれぞれの事件で内容の違いもあり「法の整備」が不十分で対応が難しかったということか。
新聞報道では土地の所有者も2転し責任があいまいになっているし、県や市も指導はしていたというが、きちんとした書類での行政指導がどうだったのか。
埋め立てしていた業者に「危険予知の可能性」があったのか。新聞報道では元従業員が「地表水も流れているし、十分な処置をしなければ危険な場所」と認識していたらしい。だとすると土地の所有者、埋め立て業者だって危険や予知できたはずだ。
警察の調べで「知らなかった」「危険予知はできなかった」と抗弁するだろう。警察だって住民から報告を受ければ放っておくわけにはいかないはずだ。
あの青森・岩手県境不法投棄事件は日本全国、関係官庁は誰でも知っているはずだ。
当初は、土地所有者が山間部で廃棄物のリサイクル、有効利用の仕儀とをしていたはずだが、御多分に漏れず資金不足で事業が行就まった。そこに目を付けたのが廃棄物処理業者だ。
安く土地を譲り受け、首都圏から廃棄物をどんどん受け入れ、「アッと」言う間に山の形態が変わるほどの不法投棄をしてしまった。
勿論近辺の住民は危険を察知し、県に報告していたはずだ。しかし、警告をすんなり聞く業者ではなかった。逆に恫喝され手足が出なかったはずだ。
結局ば県が出てきて埋め立て物の処理をすることになり、排出業者、搬入業者のチェックにかかったが当時マニフェストがあったが、完全に把握することは無理で処理費を業者に負担させることは数%だったはずだ。
首都圏で廃棄物をかき集めた処理業者は倒産、搬入業者は資金はない。大手排出企業はマニフェストにより引き取ったが、県が税金で処理をすることになったはずだ。
状況は山間部での埋め立てだ。熱海市にも共通している。何故、この教訓が熱海市、静岡県で生かせなかったのか。
他にも香川県直島でも海岸べりに関西方面からの廃棄物を不法投棄した事件があった。風光明美できれいな瀬戸内海の海が変色する事態に至り、国が近くの島に処理設備をつくり全量を処理し、最近の新聞で美しさを取り戻したという。
廃棄物の不法投棄は始まった時点で厳しく取り締まらなければ最後は業者も資金がなく倒産し、後は県や国が処理することになる。すべては税金だ。
分かっているのになぜ、熱海市や静岡県はしっかりした対応をせず、豪雨による廃棄物土石流事故で多数の住民の犠牲、家屋の崩壊事故となった。
何故、直島や青森・岩手県境不法投棄事件の教訓が生かせなかったのか。そこを聞いてみたい。
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