朝日新聞2021.11.7 |
CO2やメタンなど地球温暖化原因物質の削減計画で各国の承認を得るのは難しい。CO2は人間の活動から発生するものであり制御を求めることは経済活動への抑制でもある。
COP26開催前は2030年までの目標、2050年の実質ゼロでも気温は2.2度、今世紀末では2.7度の上昇幅でとてもじゃないが2度未満、1.5度には届かないと国連環境計画(UNEP)は見ていた。
ところがCOP26が終わってみると2度未満達成が視野に入ると国際エネルギー機関(IEA)は、削減計画を達成できれば1.8度に押さえられるというし、IPCCの研究チームも一時1.9度になるが今世紀末は1.8度の見通しを示した。
申し合わせたのか、同じ論理で検証しているのか分からないが、必ず、「削減目標達成」の条件がつく。未達になったときは削減目標が未達だったといえばいいのだ。
それだけ、計算上の検証か。
開催国の英国も面子にかけても「2度未満」を掲げ、1.5度を目標にする。だから交渉ごとも参加国任せになる。
今回も先進国から後進国への経済支援も不足額を日本、ドイツ、米国など先進国が積み上げた。実質排出ゼロ実現もインドが70年から30年に繰り上げた。さらには100カ国がメタンを2030年までに30%削減に合意した。
メタンは扱いが難い。牛のげっぷも原因だし、地球温暖化でロシアの凍土が溶けてメタンが大量に発生する。
CO2も山林火災や後進国の焼け畑農業で大量に発生するし、気温の上昇は海水の温度も上げ、溶解CO2を大気に放出する。
CO2が増え気温が上がるのか、気温が上がるからCO2が増えるのか。大昔でもCO2濃度は低いが気温が今より高かったことは検証されている。
ところで大気中のCO2濃度と平均気温の関係はどうなっているか。
気象庁も日本付近のCO2濃度の増加が止まらないという。綾里で416.3ppm、南鳥島で414.5ppm、与那国島で417.2ppmという。大気中の気温はどうなんだろう。
ここ10数年ほど、CO2濃度は上がっているが気温は横ばいが続いた。「ハイエスタ」現象と言ったはずで、CO2濃度と平均気温上昇は関係ないのではないかといわれたが、人為説の専門家は「そのうちに上昇に転じる」と解説していた。
どこを探してもCO2濃度と平均気温の関係図が見つからない。「ハイエスタ」がどうなったのか。2100年までの1.8度、2.1度、2.7度の気温上昇予測はあるが、CO2濃度は分からない。
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