2021年11月5日金曜日

今日の新聞を読んで(503):欧米緩和縮小へ 「日本の状況は異なる」では済まされない

読売新聞 2021.11.5

FRBは目標の一つである雇用の最大化で未だ不透明であるが、コロナ禍も一段落したのか経済の正常化に向け資産の購入を段階的に減らす量的緩和の出靴戦略を取るが、利上げは影響が大きいとみてゼロ金利を維持するらしい。

消費者物価は景気回復で需要増となり目標の2%を超え5%に、インフレの危険も懸念されるが、経済成長率は一時の6%から今は2%だという。

もし利上げともなればドル高、円安だが量的緩和策でもその動きは出ている。

米国の量的緩和は物価高に結びついたが、日本は逆で緩和維持でも物価はマイナス0.9%から0.1%、日銀の23年度の予測も1.0%と言う。

日本だけ何故か。

日銀は大株主になり、企業は内部留保がGDP並みになったし、株高、土地バブルで企業、富裕層は潤う。国民は貯蓄に弾み消費に回さない。企業は儲かっているが、給料は上がらないのだ。

さらに悪いことに税収不足で社会保障制度などを維持するために国民に負担を強要する。消費税は10%、選挙で野党は人気取りに消費税5%、あるいは0%を掲げる野党も出てきた。

岸田総理も「成長と分配」と言うが、「成長の果実を分配に回す」とまず成長を優先する。だから成長できない限り分配はないということか。

一時の給付金も一つの手段だが、大企業、富裕層への優遇税制の見直しで恒常的な分配をすべきである。少子高齢化で市場も縮小しているが、国民の所得を挙げて消費を伸ばし、物価を挙げて好循環の経済を作り上げることが必要だ。

日銀は量的緩和を続けるしか手段はないようだが、何年やっても同じこと。ここは政治決断しかない。できなければ政権交代だ。

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2021.9.29掲載

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