米大統領選でトランプ氏当選を伝える民放テレビ 2024.11.6 |
今回の米国の大統領選を見ると、発展途上国の政局のように見える。現政権・ハリス副大統領と対抗勢力である前政権のトランプ氏との戦いの構図だ。インフレ、移民に悩む米国民がハリス氏よりトランプ氏を選んだのだ。
国民はトランプ氏のカリスマ的存在に酔う宗教的色彩が濃くないか。特に「アメリカを再び偉大に」のキャッチフレーズは清潔に困窮する国民には強く訴えることができた。ハリス氏の「中間層を厚く、生活費を下げる」もトランプ支持者には通じなかった。
一時はハリス優勢と伝わった。トランプ氏が票を伸ばしているにも予想通りと評論家、メデイアは見ていたが、トランプ氏がどんどん票を伸ばした。FOXニュースだけがトランプ当選確実の報を打った。
さてトランプ氏返り咲きをどう見るか。
ハリス陣営は「初の女性大統領」とは訴えなかった。ロシアのウクライナ侵攻、中東問題、北朝鮮、習主席の台湾問題など世界は緊張状態にあるが、私が見ても「ハリスで大丈夫か」と思う。ここはトランプ氏か対応できないと思っても仕方ないことだ。
先のトランプ政権で見られたトランプ氏の多国間協議より二国間協議優先は世界をリードすべき米国には適さない。米国の弱い立場が共産主義諸国にはチャンスと映る。
ラストベルト、失業問題は、米国の経済政策を全世界に広め利益を上げようとするグローの結果だが、トランプ氏は生産施設の国内回帰で雇用の増大を狙う。安倍政権の時も日本企業の米国内進出を約束していた。
対中国外交は厳しい。中国の強い車市場でのEVは廃止し、エネルギー問題に対応しようとするし中国からの輸入には60%課税するという。もちろん他国からの輸入も10~20%の課税強化だ。しかしこれを実施することにより米国内での輸入品高騰の原因になり、インフレを促進しないか。
インフレが明らかになればFRBは利上げだ。国内の政策金利を4%台にしようとしたが、一時休止だ。
日本の日銀は0.25%からさらなる利上げを狙っていたが、無理で金利差は広がり、円安ドル高か。トランプ氏は当初強い米国経済のためにはドル高を謳っていたが、最近はドル安を狙っているようだ。
二国間協議を得意とし、米国の優位な立場を維持しようとするが、今の世界情勢は多国協調路線が望まれる。プーチン大統領や金総書記との個人的関係でウクライナ侵攻問題を解決しようとしているのか。さらに中国習主席との東、南シナ海問題を解決できるか。
NATなや日米同盟など加盟諸国との関係強化が叫ばれているが、トランプ氏は軍事費を増額しなければ撤退すると脅しをかける。今後どうなるか。
上院でも議席数を確保し、ねじれ国会が解消する。
米国民は「弱い米国から強い米国へ」期待しているのだ。
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