2010年4月27日火曜日

鳩山「不起訴相当」:起訴を拒む「証拠」と「憲法の規定」というが


野党時代の鳩山さんは、「秘書の違法行為は議員の責任。私だったらバッジを外す」など国民目線での発言が多かったが、いざ自分がその批判される立場に立つと国民感情からもかけ離れた発言をするようになった。この程度の総理に期待した国民がバカだったと思えてくる。

鳩山さんの偽装献金問題が、検察審査会の審査で「不起訴相当」と言う結果が出た。疑惑が払拭できないままでの幕引きになった。その起訴を拒む理由が「偽装記載に関与した証拠」と「憲法の規定」だという。

「知らなかった」としらばくれる鳩山さんの主張を「いや、知ってたはずだ」とひっくり返す証拠が見つからなかったそうだ。秘書からも話はなかったし、母親からも聞いていなかったらしい。母親と「しばらく会ってのいない」という発言では、評論家の三宅さんが「それで友愛など言えるのか」と批判している。

鳩山さん本人からの政治資金拠出を「いつまでも自分に頼るな」と苦言を呈したと言うが、母親からの拠出が始まってから、鳩山さん本人からの拠出は激減したという証拠はあるらしい。

鳩山さんは、「何故自分の拠出が減ったのか」を追求しなかったのか。普通だったら問いつめるはずだ。拠出しなければならなくなったときには、その理由を問うが、拠出しなくて良くなったときに、その理由を問わないなんておかしいに決まっている。

もう一つ「憲法の規定」がある。

憲法醍5条(国務大臣の訴追)で「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。ただし、これがため、訴追の権利は、害されない」と規定されている。

憲法Ⅰ法律学全集(清宮書 有斐閣 昭和39年)によると、同意は総理大臣の裁量で、訴追とは逮捕、拘留、起訴を言う。制度として国務大臣我見五月官によって不当な圧迫を受けるのを防ぐ精度であるが、検察庁法第14条に「法務大臣が検事総長を指揮できる」制度が規定されていることから、実用的な価値は少ないと言う。

内閣総理大臣そのものを訴追できるかどうかは規定がなく、議論が分かれるところであるが、総理大臣自ら同意すれば、訴追は可能だという(この項前書)。

鳩山さん自身が、政治資金規正法は、公明正大な政治を確保するための最重要法であると考え、「政治とカネ」の問題から国民の疑惑を払拭するためには、自ら訴追を願うのであれば、訴追は可能だ。

疑惑を抱えたまま、短命の総理で終わってしまうかどうかも、鳩山さん自身の判断次第だ。

小沢さんも、政治資金規正法違反疑惑で、近く検察審査会の審査結果が出るのをふまえて、「自分が潔白であることは、検察によって既に証明されている」と強弁している。鳩山さんとは違って、その悪質さが問題になっている。
写真:鳩山「不起訴相当」の検察審査会の結果を報じる読売新聞

民主党政権トップ2人の政治資金問題に関わるスキャンダルを抱えたままでの政権維持が今後も続くのかと思うと、やりきれない感がする。

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