2010年4月21日水曜日

総理の指導力って何だ

最近の内閣支持率下落の要因に、「総理の指導力のなさ」が指摘されている。
担がれて総理の座をかちとった者と自分の力で勝ち取った者との差はある。担がれた場合は、担いだ人に忠誠を誓わないと何時梯子を外されるか分からない不安がある。

詰まるところ、重要課題の節目に、その方向性を示す決断ができないことのようだ。

普天間基地問題では、自民党政権が13年にもわたって交渉してきた案を棚上げして新たな方向を目指そうとした。「安全保障」を根本的に見直す考えはいいとしても、進め方、先送りに国民の反感が高まった。初めて政府案として徳之島が浮上したが、遅きに失し、行き詰まり感を植えつけた。

二進も三進も行かない日本の現状をみて、米側が在日米軍の見直しに取り掛かれば、日本としては願ってもない方向が出てきたことになる。逆説的に言えば、鳩山さんの鉱石になる。

郵政民営化では内閣不統一を呈し、その社長人事では天下り撲滅の民主党公約を反故にし、以降の官僚人事でちぐはぐさが目立った。

消費税増税では、4年間は上げないと宣言した。財政再建を考えると、税体制全般から考えなければならないが、選挙が目前にあると、避けて通ろうとする。国民に不利益な政策もきちんと提示するのが一国のリーダーの仕事ではないか。

支持率下落のもうひとつの要因である「政治とカネ」の問題では、まったく進展がない。総理なのだから自ら証人喚問、参考人招致で説明すべきであるが、「知らなかった」で逃げようとする。辞任ドミノになるのを嫌って、石川、小林議員までなしのつぶてだ。

野党時代の自民党政権政策への反対をそのままマニフェストにしたものだから、現実問題では無理が生じる。早めに説明して修正すべきであるが、これも選挙が目前で回避しようとしている。

政治手法も稚拙さが目立つという。確かに「脱官僚」を抱えての政権なのだから、政治主導に偏るのは当然としても、外交、防衛では今までの経緯、官僚のノウ・ハウがある。必要な分野では、うまく使い分けることも重要である。

そして、政権与党党運営でも鳩山さんと小澤さんで住み分けがされているようだが、鳩山さんが民主党代表であることに代わりはない。幹事長の豪腕な党内運営、選挙手法に、国民は不快感を募らせている。国民が選んだ民主的な政権政党とは大違いの姿なのだ。

すべてが鳩山さんの指導力に関連して判断されるのは当たり前のことなのだ。

鳩山さんは総理としての判断基準を「国民の利益」、「自らの地位の保全」のどちらに重点をおいているのか。「国(国民)の利益」より「自らの地位の保全」に窮しているのではなかろうか。

事あるごとに正式な記者会見で、国民に説明する姿勢が求められる。

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