2010年4月8日木曜日

新党立ち上げ:無党派層に頼る「落とし穴」


渡辺さんが一人で、自民党を離党したとき、後に続く人もなく新党立ち上げ構想も失敗したのではないかと思ったのも、当時としては当然だった。記者に「後に続く人が出ないが・・」と問われて苦笑いした渡辺さんは印象的だった。

しかし、「みんなの党」を結成し、選挙に候補者を立てて戦うと意外にも善戦している。次の参議院選では10人どころか、20人ぐらいの議席確保も夢ではないと言う。

その背景には、「民主党政権への諦め感」、「自民党への不信」で行き場を失った人が「みんなの党」に流れているという見方は当然かも知れない。

今、メデイアは「たちあがれ日本」「首長新党」など無党派層狙いの新党立ち上げを煽っている。この無党派層は各種世論調査で50%を越える一大勢力になったのだから当然の動きかも知れない。

ところが、もしそうだとしたら大きな「落とし穴」にならないだろうか。

16年前、細川さんの「日本新党」の時のような盛り上がりには、何故か欠ける。無党派層と言っても、若者を引きつける魅力に欠ける。連立でも政権を取れる勢力にはならない。
無理な政権維持、政権内の政策不一致は早期の崩壊に繋がる。

今の新党も「風」だけで、政策がはっきりしない。「みんなの党」もはっきりしているのは、「公務員制度改革」「地方主権」ぐらいなものだ。他にも政策が掲げられているようだが、渡辺さんは保守系、江田さんは市民運動系で、その議員の生い立ちは違う。当然今後の運動方針ではギクシャクするだろう。まだ、少数勢力であるうちは纏まっているように見えるが、勢力が大きくなると問題が出てくる。

新党は、末端の地方組織まで整備されていない。支持するために会費を払ったが、その後はなしのつぶてで、支持者の失望を買うだけだ。「日本新党」のときもそうだった。新党支持者は、政策に発言できると思ったのだが、それは一部の幹部だけだ。

新党立ち上げは、無党派層にとっては民主党、自民党にお灸をすえる為の第三極、あるいは、キャステイングボードを握って政権に加わるチャンスを掴むことが出来るかも知れないが、新党にとっては何かあると直ぐに飽きられる運命にある。

新党乱立は、政界再編へのプロセスかも知れないが、混乱しか残らない。
写真は、「みんなの党」渡辺さん :2010.4.8 テレビ朝日「スーパーモーニング」より 

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