2010年6月3日木曜日

次期総理は菅さんでいいのか


社民党連立離脱による国会運営の難しさ、次の参院選での惨敗予想もあって、民主党トップ2人の辞任となった。多くのメデイアが「総理続投」を予想していたことから考えて、今回の辞任は予想外だったのかも知れない。

しかし、鳩山さんの「開かれたクリーンな民主党」への再生要望は、民主党を立ち上げた鳩山さんにとっても、今の小沢さんがらみの路線は不本意なモノだったのだろう。

政治の空白を避けるために、民主党議員のみによる代表選が決まったが、民主党員でない者にとっても、次の総理を選ぶことになるので、今回の代表選は気になる。

寄り合い所帯の民主党にとって、まともに2年の任期を全うした者がいないことにも、党内事情が影響しているのではないかと心配になる。「政権を担当する能力があるのか」という本質的な問題だ。

鳩山さんが「民主党らしさ」を求め、本来の民主党回帰を訴えたが、小沢さんの存在は大きな障害になる。

代表選候補として、副総理格の菅さんが、いち早く名乗りを上げ支持を訴えている。他のグループは様子見のようだ。「小沢さんと距離を置くのであれば」と条件付きで支持を仄めかす候補予定者もいる。

野党時代であれば、誰が代表になっても、早期にはならなかったが、今回は政権与党であり、即総理になるのだ。無関心ではいられない。

私達は、菅さんについて、どれほど知っているだろうか。本当に総理として国政を託すことが出来るのか。

市川房枝さんの市民運動から出てきた政治家で、厚生大臣の時に、0.157の原因がカイワレ大根だと発表し、業界が沈滞した。後で間違いだったことがわかり、報道陣の前でカイワレをほおばって安全であることを訴えた。

また、厚生省の役人が、「資料がない」としていたのを、命じて探させ、倉庫から見つけ出したことは、官僚に厳しい姿勢を取ったと言うことで、政治主導にも合致して評価された。

しかし、年金問題が持ち上がったときに、一時期入っていなかったことを追求され、代表を去ったことがある。原因は役所側にあったが、一度も反論せず、お遍路姿で四国を回った。

代表選では、何回か経験した。小沢さんと争った時の立会演説で小沢さんが「私こそ変わらなければなりません」と発言したことで、事前の優位を覆されて敗れたことがある。

政権について、副総理を兼務し、財務大臣などを経験しているが、国会審議で「公共事業の乗数効果をどう見ているか」と自民党議員から質問され、立ち往生したこともある。市民運動家出身だから行政に精通しているかは疑問である。

財政再建、景気の為の金融政策などでは、「2兔を追う必要がある」と発言しているが、「1兔も得ず」と言うこともある。鳩山さんが普天間移設で揺れている時に、副総理として動いた形跡はない。安全保障をどう考えているのかも分からない。

ただ、小沢さんとの距離が、親小沢でもなく、反小沢でもないことに選考基準のポイントがあるとは、国民に反感を買いそうな相変わらずのお粗末さだ。今年の正月は、閣僚でも唯一小沢邸に駆けつけ乾杯の音頭を取ったという。

代表になりたいために、一定の距離を取り出したというなら、何をかいわんやだ。

小沢さんに担がれた総理は思うような政治が出来ず短命に終わっているし、良かれ悪しかれ小沢さんに振り回された政局であった。「小沢さんに頼る政局の危うさ」という意味の記事を書いたことがあるが、いつもこうなる。

民主党が再生するには、「小沢さん抜き」の党内運営が出来なければならないが、今回の代表選も小沢さんの存在が気にかかる。

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