2011年2月6日日曜日

政権交代2年で見えてきた難儀


国民がどの程度期待したか分からないが、民主党政権で分かったことは、どの政党、誰が総理であろうと難儀な局面に入ったことだ。民主党政権は行政システムを変えようとしているが、混乱を招く事態になることはあきらかだが、その責任は政権交代を導いた国民にあるのだ。

言えるコトは、誰が総理であっても難しい局面だ。

財政再建、社会保障と税の一体改革はムダを排除して後に国民に負担を強いることは当然のことであるが、与謝野さんの言うようにプロセスをふまえていては遅すぎる。同時にやらなければならないが、増税は更なる景気後退の危険がある。議論を警戒する向きもあるが、国内財政の実態と処方を明らかにすることは政治の責任である。

税の無駄使い、国会議員の削減、公務員制度改革など全く進んでいない。進んでいると思ってもそれは国会議員、公務員の利権を確保したままの改革だ。民主党政権は官公労、連合などを支持母体にしているために公務員改革など出来っこないと見るのが大方の見方だ。

「国民のための政治」を掲げることは良いとしても、それが票の掘り起こしで民主党勢力の維持基盤を拡大、温存する政策であっては片手落ちである。支持団体のために改革の本質をねじ曲げることがあってはならない。

「クリーンで開かれた政治」、「目に見える政治」は国民の最も期待するところであるが、「政治とカネ」の悪の根源とも言える小沢さんの存在と強制起訴後の民主党の対応は、大きな期待はずれであった。結党、解党を繰り返す小沢流政治にあって、今回も民主党の政権交代、そして民主党政権の崩壊と従来と変わらない「壊し屋小沢」の名に恥じないプロセスを歩むことになる。

あれほど騒がれたマニフェストであったが、財源という現実の壁は高かった。野党時代で情報も十分に入れなかった事情は分かるが、何でも「反自民」の考えが招いた結果だろう。中堅議員は政策づくり
に腐心するが、権力維持に翻弄されている。「政権維持のため」に政策が曖昧になり、国民の理解が得られにくくなってきた。

民主党では今、一致団結が声高に言われている。ポスト菅を狙う前原さんも反小沢から一致団結に変わろうとしている。キーマンに擦り寄る姿もみっともない。党内抗争を繰り返す民主党に政権を託すこと自体が無理なのだ。

また、国民の信を問わず、政権をたらい回しするご都合主義の総理選びが続いている。自民党が政権の座を負われた要因に、政権の投げだし、たらい回しがあるが、民主党も同じ轍を踏んでいる。

民意(世論調査の政権支持率)が政権に影響を与えるコトに危惧する向きもあるが、影響が大きいのは「指導力の欠如」「政策のブレ」「その言動」にある。

総裁/代表候補が底を突き、党内に強力な基盤を持たない人間が総理に担がれ、背後にいる実力者の顔色、その側近連中の言動に迷わされて思うような政治が出来ない背景も目立ってきた。自民党もこの傾向は変わらない。

必然的に政治は官僚に頼らなければならないコトになるが、民主党は脱官僚、官僚政治から政治主導を掲げて政権に就いたが、肝腎なところで情報が入らず、政権維持に支障を来す羽目になって、官僚を重視する動きに方向転換したが、国民には政治姿勢の挫折と映り、信頼を損ねる要因にもなった。経験も実績も少ない一政治家が、テクノクラートに匹敵する政治をすることなど出来ない。

菅内閣で民主党単独(主導)政権は終わるだろう。

自民党が勝ったとしても、ねじれ国会に変わりはないだろう。その時、民主党は「熟議」を実行できるのか。それとも「反自民」を続けるのか。

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