2011年2月26日土曜日

ニュージーランド地震:「じいちゃん 楽しいところでどうしてこうなるの」
















テレビのニュージーランド地震を伝えるニュースを見ていた孫が、「じいちゃん どうしてこうなるの」と聞いてきた。(私)「何?」と聞き返すと(孫)「楽しい所なんでしょう」という。(私)「ニュージーランドという国で大きな地震が発生し、多くの人が犠牲になっているんだよ」というと(孫)「だって、ランドというと楽しい所なんでしょう?」と聞き返してきた。孫にとっては○○ランドというと、東京デイズニーランドのような楽しい所なんだ。

今現在、犠牲者145人、日本人も28人が不明だという。テレビで画面を見る限り、多くのがらくたが存在し、生存に必要な空間がそう多くはない感じだ。特に英会話学校が入っていた建物の壊れ方は異常だ。昨年9月に発生したM7クラスでは、どうもなかったらしいが、今回のM6.3の余震で崩壊した。昨年は震源地から放れていたが、今回は直下型で特に危険な周期だった。

阪神大震災(兵庫県南部地震)と比較すると、NZ地震は、M.6.3、地下5km、断層の長さ17km、阪神大震災はM7.3、地下15km、長さ20kmだ。強度が1/30だったが、地震動は同程度らしい。それにしても建物、構造物の被害が少なかったのは過密都市でなかったためだろう。

活断層の存在は分かっていなかったらしいが、平野部は河川が持ってきた堆積物から成り立っているので、堆積物が厚ければ活断層の発見は難しい。関東平野だって同じだ。日本全国で発生する地震による長周期震動は、軟弱地盤の首都圏を攻撃してくる。20階以上の超高層ビルでは、近くで地震が発生しなくても、ゆっくり揺れるらしい。

また、御多分にもれず液状化による被害も多い。憤砂の厚みは大きい。風呂場から噴出した例もあるらしい。我が国で初めて液状化が問題になったのは、新潟地震でアパートが横倒しになってからだが、この映像を見て驚いたものだ。防災関係者の間では液状化を指摘する人もいたが、実際にその目にあうと恐ろしい現象だ。

私の住んでいるマンションも阪神大震災にも耐える設計になっていると言うが、川沿いでもあり大丈夫かどうかは分らない。

特に子供の通う学校の耐震化は重要課題だ。

文部科学省のHPで見ると、平成22年4月で耐震診断も未実施のところが1469棟あるが、耐震化率は小・中学校で73.2%、診断実施率は98%だという。国会議員には学校の耐震化工事などで公共事業を増やせと主張する者もいる。震災時には避難場所でもあるので急ぐべきだ。

孫が通っている小学校はどうなのか。区の教育委員会のHPを開いて見た。Is /Iso=1.09で補強工事はいらないらしい。実際に耐震診断をどうやっているのか分らないが、大丈夫と言うことはない。

海外での地震被害の詳細を報じる記事は、そう多くはないが、今回は日本人の多くが犠牲になっている。当然紙面のトップに位置づけられるニュースであるが、我が国でも何時発生しても不思議ではない超巨大地震が待っている。

他山の石とせず、ついつい身の回りを見回すことになる。
写真上段左:NZ地震の今回と昨年の震源地
写真上段右:クライストチャーチの被災現場
写真中段左:多摩川に出来た中州 この堆積物が平野になったところに都市が形成される
写真中段右:1.5秒の最悪の周期
写真下段:耐震工事が済んだ小学校・・墨田区で
写真中段左、写真下段意外は、TBS報道特集より 2011.2.26

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