2011年2月1日火曜日

こんな予算委員会で、与野党協調なんて無理

予算案が国会を通過しても関連法案が成立しなければ「国民の生活」が守れないと言う。一般会計92.4兆円のうち、税収や建設国債による収入だけでは約4割が執行できなくなると言うのだ。優先順位を付けた予算執行になるのだろうか。菅総理は与野党の熟議を訴えるが、今のような予算委員会のやり方では不可能だ。

NHKの国会予算委員会中継を見た。

2011年度の予算案と関連法案の審議をしているのだろうが聞いていると、どの案件のどの箇所をどうしようと議論しているのか分からない。そんな具体的な問題より全般にわたって民主党政権の考え方をただし、あわよくば言質を取って解散に持ち込みたい考えのようだ。

お互いに議論した後、歩み寄って成案に持っていくコトなど期待できない。

分かったことがある。

先の民主党のマニフェストは破綻しているのだから、見直して改めて国民に信を問うべきだという追求に、菅総理は「今解散して何が生産的なのか」と考えている。

民主党内でも小沢vs反小沢の党内抗争が、「マニフェストの実行か、見直しか」の観点で争われている。衆院選に先駆けての民主党マニフェスト作成時に、財源が問題になったが小沢さんの「何とかなる」の考えで決まったらしい。だから執行部の見直し論に、小沢系民主党員が猛烈に反対している。

菅総理は「社会保障と税の一体改革」に政治生命をかけると言うが、その案は出来ていないようだ。菅総理は与野党協力して成案を作ろうと言うが、野党の自民党は、まず政府案を出すのが当然だと平行線だ。最後は「4月までに改革案が出来るんでしょうね」と念を押される始末だ。政治生命をかけると言うことは、誠心誠意努力すると言うことらしい。

小沢さんが強制起訴されたことに関連してか、自由党解党時の政治資金の残金の扱いについての疑惑を藤井官房福長官にただされた。系5億円という大金が当時幹事長だった藤井さん支出された。藤井さんのサインもある資料を見せられたが、藤井さんは、一切認識がないようだ。では「誰がこんなコトをしたのか」の質問に、「わからない」と答えた。この15億円がそのまま「改革フォーラム」に移され、そのうち約4.5億円が、先の参議院選で民主党候補91人に選挙資金で配られた。

残念ながら記憶に残る議論はなかった。当然、両者歩み寄ることもなく、議論は平行線をたどるか、途中で切り上げるコトに終始した。

こんなコトをしていては時間が過ぎるばかりで、審議時間切れの強行採決しかない。我が国の国会審議は、まず期日が決まっていて、審議時間は逆算で決められる。通常国会会期は6月末だが、それまで毎日予算委員会が開かれていることはない。

菅総理は年度内成立を求めるが、3月に政権運営の危機がやってくるのか。それとも4月、6月になるのか。

自民党に政権奪取のチャンスが来ているのだから、おめおめと協調することなど考えられない。しかし、国民生活のかかった法案に闇雲に反対することは,却って反感を買い支持を失うことになる。

菅総理が生産的解散というのは、社会保障と税の一体改革案が出来、国民の支持を得ることが出来ると判断した時ではないか。負けることが分かっている選挙に打って出る党首はいないだろう。

でも野党の反対で政権運営が行き詰まった時、参議院で首相問責決議案が通った時、「政治とカネ」で新たな問題が出てきたとき、財政再建、増税で閣内不一致が明らかになったとき、普天間移設問題で二進も三進もいかなくなったとき、菅総理はどう対応するのか。

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