2011年2月24日木曜日

党首討論:「今、何をすべきか」の詰(なじ)りあい




23日の党首討論をNHKで見た。各党首が「今、何をしなければならないか」を問いかけるが、詰り合いの討論では、実りもなく平行線の感がした。

最初に立った谷垣さんは、予算審議、採択までに小沢問題を解決すると約束したが、証人喚問はどうなっているのか。16人が国民との約束を棄てたと会派離脱を宣言したが、マニフェストをふまえて政権運営するのか、見直しが必要なのかと問いかけた。

菅さんは、国民生活を守るためには、予算案、予算関連法案の早期成立が必要で不成立なら回復路線に水を差すことになる。国会で何をやろうとしているのかと逆に問いかけた。

更に、谷垣さんは、民主党のマニフェストは実行不能になり見直しが必要で、砂上の楼閣になっている。正当性があるのか、それとも崩壊しているのか。党内掌握も出来ずガバナビリテイー、指導力はペケだと指摘し、実行可能な政策体系、正当性を与え、統治体制もつくり、衆院解散、総選挙してはどうかと詰め寄った。

菅さんは、今の国民生活に重要なのは、予算案とその関連法案ではないか。マニフェストも1昨年の約束の実現に努力しているが、折り返し点で見直す。予算委員会でしっかり議論しているので、野党も国民に歴史的に責任を持てる行動をとってほしいと野党の態度に苦言を呈した。

予算案、その関連法案が不成立になったときは、その責任は野党にあるという従来の菅さんの考えを繰り返した。自民党、公明党、社民党との協調が出来ず、おまけに民主党内の力関係も、法案に賛成するのか、反対なのか不明朗な状態になってきた。

これに対して、谷垣さんは、自民党も税制大綱で予算の組み替え案を出したい。民主党の予算は2年も税収が赤字国債を下回る状態で、このままでは益にならないし、昨年末のエコノミストらへの調査で
成長には寄与しないと言うマイナス評価だ批判し、もっと堂々と国民に問うてリセットするのが早道で、解散・総選挙をし、選挙後衆知を集めてはどうかと揺さぶりをかける。

菅さんは、予算の組み替え案があるのなら、「丸飲み」出来る案を出して欲しいとたたみかけた。

社会保障と税の一体改革は避けて通れない。何年かかってもやらなければならないと自らの使命を繰り返した。

与党が野党の案を丸飲みした例は過去にもあり、野党自民党の予算組み替え案が出ると与党民主党が丸飲みできるようなことがあるのか。民主党のマニフェストを実行する予算になるとバラマキ予算になり、野党の考えとは異なる。一方、民主党のマニフェストを見直そうとすれば党内抗争が激化する。

与野党の折り合いの付く予算案はどうなるのか。

菅さんは、予算案、その関連法案の年度内の早期成立を訴えるが、公明党の山口さんも、予算案、その関連法案の成立は政府に責任があるとし、温かい南風が必要なときに、ビュービュー北風を吹かせていると菅さんの姿勢を批判した。

玄蕃さんは6月まで大丈夫だとコメントしたことがある。だとすれば、ここは解散・総選挙で国民に信を問い、新しい構成で衆知を集めた予算案を作れという谷垣さんの主張も理解できる。

菅さんは、批判が野党に行くことを期待するのではなく、「今、本当に何をすべきなのか」を真剣に考えた方がよい。




写真:党首討論 2011.2.23 NHK中継より

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