2012年1月29日日曜日

維新の会、第3極構想:ポピュリズムに乗って失望しないために


橋下さん頼みの第3極構想を報じる
読売新聞
2012.1.29

維新の会、第3極と話題は多いが、また国民はポピュリズムに走って失望するのか。よくわからない、得体のしれない「維新の会」を取り込み既成政党は党勢の拡大を狙う。そんな構図しか見えてこない今の政界をどう考えるのか。ポピュリズムに走ろうとする政界に異論がある。

大阪維新の会が、大阪府知事、大阪市長選で大きな支持を得ることになったことはわかる。大阪の地盤沈下を何とかしようと、まず「あなた方は倒産企業の社員です」と公務員の意識改革を訴え、「府と市の2重行政を効率化し、限られた予算を有効に投資する」考えには、効果がどの程度あるかはわからないが賛成だ。それにどの自治体でもできなかった教育改革も業績にはなるだろうが、余りも競争意識、効率化を追求しすぎではないかと思う面もある。

地方自治を考えた時に、大阪都構想は注目すべき政治課題だろう。メデイアが煽る気持ちもわかるが、法改正を伴い、国政を動かさなければどうにもならないテーマであり、そう簡単にいくものではない。

橋下さんは国が動かないのであれば、維新の会が国政にも進出すると、次の総選挙に的を絞っている。関西圏を中心に候補者を擁立するらしい。元国会議員や公務員が応募しているらしいが、よい人材が集まるのか。既成政党でも新人発掘に四苦八苦している状態だ。

万一、政権を担う一員になったとしても国政に役立つ人材なのか。民主党政権のように政権基盤が脆弱で国際公約を御旗に国内議論をしていくしかないことにならないか。

当然のことながら、政党の人気が上がらない民主党、自民党は秋波を送り、みんなの党はアゼンダが共有できるとエールを送る。そして石原都知事が絡んだ新党構想も出てきた。石原さんは「都より国が大切だ」と国政に転じるのかと錯覚を起こす発言までしている。それに大村愛知県知事、河村名古屋市長も絡み3都構想も出てきた。

それぞれ構想を進める者には、それなりの背景がある。

亀井さんは、弱小政党の生き残りをかけ、自らのリーダーシプを確保するために話し合いをしたり一部構想をメデイアに垂れ流している。石原さんは「亀井さんのいうことを鵜呑みにするな」と警告する始末だ。

石原さんは新党に協力するというが、一時は卒業したはずの都知事選に復帰したり、橋下さんの選挙応援に駆けつけたり理解に苦しむ動きをしていたが、背後に自民党幹事長である石原伸晃さんの存在がある。

消費税増税に反対し、離党・新党結成の動きもある民主党・小沢グループも取りざたされているが、自らの裁判も控えすでに過去の政治家だ。裁判の結果がどうあれダーテイーさはぬぐえない。

期待される側の橋下さんといえば、肝心なところは何ら話さない。逆に変な組み合わせになると一巻の終わりだ。

国民はメデイアの垂れ流すポピュリズムに乗ってはいけない。

逆に、新党構想関係者は責任のある説明をすべきだ。今、政治に必要なのは確固とした説明なのだ。消費税増税にしたって、世論調査では半分の人が賛成しているが一方で、説明不足だという。

しっかりした説明もないままにポピュリズムで新党構想に乗っかり、あとで失望することこそ、あってはならない民主主義だ。既成政党も期待される政党像を国民に示すべきではないか。党内のゴタゴタばかりが目立つ政党には安定した政治を託することはできない。

0 件のコメント: