2012年7月8日日曜日

消費税増税、原発再稼動:「勇気ある決断」とは、国民に不安と負担を強いることか


読売新聞2012.7.8

IMF専務理事のラガルドさんが来日し、野田総理を表敬訪問した際に増税と原発再稼働を評して「勇気ある決断と行動」と言ったそうだ(読売新聞2012.7.8)。日本がIMFに確か600億ドルの支出を決めたというが、それへのお礼を込めたメッセージなのか。勇気ある決断と評価されつつ、実態は国民に不安と苦労、そして負担を強いることになるのだ。

財政再建、経済成長を考えるIMFにとって、今回の増税、再稼働は「勇気ある決断と行動」と映ることはわかるが、国民にとっては不安と苦労、そして負担を強いることで、将来の安心を約束するものとは程遠い内容だ。

IMFには日本からも多数のスタッフが派遣され、財務省の言いなりの政策を後押しすることなど朝飯前だ。

讀賣新聞(2012.7.8)の専務理事インタビュー記事によると、当然のことながら、肝心なことは政府が国民をどう説得できるかにあるという。

原発再稼働は、国民を説得するだけの安全確認がなされているかにかかっているが、大飯原発再稼働で安全に関しての国民への説明は十分だったのか。毎週金曜日夜の官邸前での大集会はますます盛り上がってきているようだ。子供ずれの若い母親、学生が目立つのも特徴だ。福島第一原発事故を目前にすれば「反原発」への賛否は死活問題にもなる。

消費税増税は、財政再建に効果的な手段だというが、追加措置を講じるかどうかは国会や政府の決めることというが、IMFは15%の消費税を提案していた。

今各国の重大関心事は、経済成長路線にどういう風に乗せるかだが、我が国の場合デフレ脱却、円高対策が欠かせない。

その為替政策について、市場介入は他の手段を講じても十分ではなく、他の通貨国と相談した後であれば正当化できるという。

要するに単独介入はダメということらしいが、今までの経験からそれは言えることだ。協調介入が理想だが、アメリカがドル安政策をとっているうちは無理なことだ。単独介入も一時は円安になるが、日本の経済、政治状況で変動するのではなく、海外の変動要因が大きいことを考えると円高傾向は覚悟しなければならないことか。
経済成長、日本再生へ政策があるのか。

2014年までに名目成長率3%、実質成長率2%を掲げているが、消費税増税への前提条件(政府は前提条件ではなく、目標だという)となると、なり振り構わぬ作戦をとるだろう。

日本再生成長戦略
テレビ東京 WBS
近いうちに日本再生成長戦略が発表されるという。

最先端医療技術開発を支援する「ライフ成長戦略」、「金融戦略」、電気自動車、蓄電池などの「グリーン成長戦略」など10分野からなり、PDCAサイクルで進捗状況をチェックし、野田総理に言わせると成果が不十分な政策は予算縮減、廃止で確実に実行を目指すという野田。

よく見ると以前から言われてきた成長分野と思うが、成果が出ているとはあまり聞いていない。

政府が審議会などで検討させてまとめた結果ではなく、企業が技術開発で消費者が欲しがる製品を市場に出すことが重要なのではないか。日銀の金融緩和政策、政府の規制緩和とともに企業がしっかりしなければならない。

大企業ばかりに目配りせず、中小企業も育成する戦略が必要だ。そして雇用を創出することが喫緊の課題だ。


国民が不安と負担を感じているうちは、成長路線に乗せることは無理だろう。

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