2013年1月23日水曜日

デフレ脱却を「賃上げ」からも出来ないか


安倍総理の「アベノミクス」では、デフレ脱却は難しそうだ。まず「賃上げ」からも始められないか。22日の2%物価目標、資産買い入れ無制限枠を謳った政府、日銀の共同声明も市場はすでに織り込み済みで大きな反応はなかった。そりゃそうだろう。昨年10月の民主党・野田政権と民主党との合意文書の内容と大きな違いはないのだ。

安倍総理は、自分の考えが押し通せた為に、画期的内容だと自己評価したが、「1%を目途」が「2%目標」に変わった程度だ。フレキシブル・インフレーション・ターゲッチングとは目途とか目標に分ける意味はないので、目途も目標も同じことなのだ。

次の三本目の矢である「民間の投資を喚起する成長戦略」も、各政権がそれぞれ挑戦したが成果の話となると、民主党政権で成果があったのは30%程度という。

事業を上げていくのは官僚だ。目新しい事業が残っているとは限らない。しかも自分のカネで事業を展開する民が、いま積極的に投資しようとする意欲のある事業は見つからないとも言う。

他人のカネ(税金)で、事業を展開する官に任せておくと利権がらみの無駄な投資になりがちだ。

しかも、デフレ脱却→円安、株高→投資、企業収益増→雇用創出、給料アップのシナリオを描くには時間がかかる。

むしろインフレは進んでも、給料は上がらないと言う最悪のケースも考えられる。日銀は2%物価目標を達成するまでには時間もかかる。その過程で予期せぬリスクも検証しながら持続可能な成長を確立していくという。

デフレが日本だけ15年もの長期に続いているのは、世界的に珍しい。

いろんな要因があるのだろうが、発展途上国との競争での人件費コストダウン、国民のデフレ期待、異常な円高で安物の輸入などが上げられるだろう。

特にデフレ期待は大きいが、最近デパートでは高級品も売れ出したという。それでも安売り競争は続く。

そんな経済状況なのだが、「デフレ脱却」には、春闘を前に「賃上げ」から始めたらどうか。

平素は「会社の業績は好調」などと経営がしっかりしていることを強調する経営者も春闘やボーナス時期になると、「先行き不透明」を主張しベース・アップ、ボーナス闘争に釘を刺す。

固定費に占める人件費の割合は大きく、従業員を犠牲にして企業は収益を上げている。内部留保も260兆円に達するという。

経済界も経済再生に向け「おねだり」ばかりするのではなく、少しは「賃上げ」でデフレに風穴を明けたらどうか。

日銀は2%物価目標に向け新たな金融政策で挑戦しようとしている。政府も第三の矢・成長戦略を検討しているが、成果となるとはなはだ疑問だ。

では、民間は何が出来るのか。

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