2013年1月12日土曜日

鎌倉の津波対策:海抜表示が整備されるが、破られた海抜表示も

この地盤は5.8m 腰越付近

鎌倉の津波対策で海抜表示が整備されているが、残念ながら破られた海抜表示も見つかった。昨年11月4日、孫達と鎌倉を訪れた。鶴岡八幡宮の「ひこばえ」と津波対策がどうなったか見たかったためだ。

東海道線藤沢駅で降り、江ノ電に乗り換えて海岸まで出るために腰越で降りた。まず義経ゆかりの満福寺に参拝し海岸に出る途中で海抜5.8mの表示が目に止まった。

鎌倉市は南海トラフ巨大地震により最大で9mの津波の来襲が予測されている(讀賣新聞2012.8.30)が、14mと言う説も出ている。

これからすると、この辺は地震発生と同時に浸水してしまう。どうしろという表示はないが、周辺の小高い山に逃げるのだろう。鎌倉市の津波浸水予測図(平成24年3月作成)を見ると、近くに小動神社があり海抜は14.8mだ。観光案内標識に海抜まで記されている。

今日は海岸沿いを歩いて鎌倉まで行く予定だ。

10.1m 鎌倉高校付近
天気も良いので歩いている観光客が多い。鎌倉高校前駅付近では10.1m、目で見る差とは違う。比較的急な坂を上れば鎌倉高校だ。津波浸水予測図では海抜32mになっている。

この坂上から海を見下ろす光景は石坂洋次郎の青春ものに出てくる景色にあうようだ。何かに書いてあったが、テレビドラマなどで使おうとしたが、交通量を考えて断念することが多いらしい。

七里ヶ浜付近で7.7m,「地震を感じたら津波に注意しましょう」との標識が建っている。この辺は場所によっては0.5~5mの浸水が予想されている。目では分からないが高低差があるらしい。

7.8m 七里ガ浜付近
子供をつれているので、やっと極楽寺まで歩いた。フジテレビの「最後から二番目の恋い」で有名になったのか、観光客が多く、駅舎に向かってカメラを構えていた。

家内や娘がもう疲れたというので、鎌倉まで電車で行くことになった。

すごい人波の小町通りを鶴岡八幡宮に向かった。

驚いたことに鳥居付近の海抜表示が破られていた。観光客に一番注意喚起をする必要がある場所での破棄は問題だ。浸水予測図によると鶴岡八幡宮は海抜11mで、0.5m程度の浸水が考えられる。

地震を感じたら津波に注意
以前、「ひこばえ」を見に行ったときに社務所の人に「津波対策はどうなっているんですか」と聞いた時、「浜の方では注意看板が出ているが、この辺にはない。浜は海抜5~6m、この辺(社務所)で12~13m、上の本殿は30mです」と教えられた。

万一14mの津波だと本殿までの石段を、様子を見ながら駆け上がることになる。

鶴岡八幡宮を後に、建長寺、北鎌倉駅に向かった。この辺は海抜30mらしい。

破られた海抜表示 鳥居付近
この付近は11m
2012.11.4撮影
鎌倉市の津波ハザードマップを見ると以前は、標高7mが図示されていたが、今は15mの等高線が図示されている。新しい津波予想に対応したのだろう。

年間2000万人の観光客が訪れる鎌倉だ。鎌倉駅付近でもあっという間に2m未満の浸水が予想されている。

海抜表示、地図を見ながら自分が今、「どの程度の海抜にいるのか」を念頭に観光しなければならない。

何処にいようと、安全は自分で確保するのだ。






銭洗弁財天付近は30m











鎌倉市津波浸水予測図 鎌倉市HPより

注) 2012.11.4掲載の「鎌倉で見た1本の「ひこばえ」と破られた海抜表示」を書き直して再掲載

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