2013年1月11日金曜日

緊急経済対策への不安:安倍政権は危機を回避できるか、それとも国民を危機に晒すのか

記者会見し、「従来と次元の違う
レベルの緊急経済対策」と説明
する安倍総理
2013.1.11 テレビ朝日
スクランブル

安倍危機突破内閣の政策が明らかになってきたが、これで日本の危機を突破できるのか、それとも国民を危機にさらすのか。衆院選で「自民党は3年3ヶ月前とは変わった。国民目線の政策に変わった」と訴え政権奪還を勝ち取った。でも見えてくるは、以前の自民党と変わっていない感じがするのだ。

11日、閣議で緊急経済対策が決まった後の安倍総理の記者会見をテレビで見た。

持続的に成長するため雇用、賃金をふやし、好循環を生み出す必要があり、成長戦略が必要だという(何やら先の経済財政諮問会議での日銀・白川総裁の発言と似ている)。

その緊急経済対策の内容は、GDP成長率2%、60万人の雇用を創出する「従来と次元の違うレベル」の緊急経済対策だと胸を張ったように思えた。その指さすフリップ・ボードには、復興防災対策、成長による富の創出、暮らしの安全と地域の活性化を目指し、一体且つ強力に実行する政策パッケージの第一弾だとし、国の支出総額10.3兆円の大型補正で、事業ベースでは20.2兆円になるという。

復興予算も民主党政権時の「5年間で19兆円」の枠を取っ払って「復興なくして日本の未来はない」と選挙戦で訴えた約束を守るらしい。

でも財源をどうするのか。復興財源は一般会計外で所得税に上乗せされている。これ以上無理だろう。

民主党政権時の「赤字国債上限44兆円」も14年度から新しい指標で考えるとして、経済財政諮問会議でその新しい指標を検討させるというのだ。

一方で、財政運営戦略もあり、起源ははっきりしなかったが、プライマリー・バランスの黒字化を目指すともいう。

どうにも整合性されない政策に見える。3年3か月前の自民党と何ら変わらない姿に見えるが。

組閣、党人事を見ても、民主党政権の時は、国会予算委員会で活躍した議員が名を連ね実績は別として、希望も持てた。しかし今回の安倍政権の陣容は「昔の名前」で出て来た陣容だ。新鮮さはみじんもない。新聞ではいろんな名前が出ていたが消えていった人もいる。却って裏で何かあったのではないかと勘繰られる。

会議や内閣官房参与に自分との考えを同じくする人材が登用されているようだ。陣容は別として小泉政権を彷彿する。

山積する国を二分する政治課題が多く、各委員の考えもバラバラだが安倍総理はリーダーシップが取れるのか。

極めつけの人事は竹中さんの再登用だ。何かしら胡散臭さを感じる人で、最近まで日本維新の会の仕事をしていたと聞いているが、採用する安倍総理もそうだが、OKした竹中さんも竹中さんだ。普通の人間なら自重するだろう。

そして、皆が心配しているインフレ目標2%だ。国民の生活を守るか、危機に晒すか。大胆な金融政策論者でインフレ2~3%を主張する学者、デフレの責任の大半は日銀にあると主張する学者、200兆円の国土強靭化を主張する学者らを内閣官房参与に要している。

とりあえずは、21日からの日銀の決定会合を見守りたい。

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