2014年1月17日金曜日

東電事業計画:東電は整理会社か、継続会社か

東電の事業計画が閣議で認定されたが、東電は整理会社か、継続会社なのか。東電の置かれている立場が今一つはっきり理解できない。それは経営破たんした東電に政府が介入し税金を直接投入する支援をしているからではないか。

3.11の想定以上の巨大地震、巨大津波により東電・福島第一原発はあってはならない放射能汚染事故を拡大させている。一端倒産させた方がいいと思っていたが、賠償、除染、廃炉が滞ってはいけないために政府が介入するのは仕方ない事であるが、それがために東電に企業としての主体性、当事者意識がなくなった。

先の臨時国会での参考人としての広瀬社長の答弁、そして最近の新しく就任する会長の会見を聞いていても「ルールと○○(何だったっか思い出せない)によりやっていく」という。ルールって何なんだ。経済部の記者は突っ込まなかったが、政府の決めた方針でやっていくということだろう。

それなら誰だってできることだ。今、東電が自分の判断でできることはコストダウンと人員削減だけなのか。それとて監視下にある。

そんな状況下でも、事業計画には大前提に7月からの柏崎刈羽原発の再稼働があり、もし再稼働ができなければ電気料金が10%値上げになると脅迫めいたことを言う。

これには新潟県知事も怒った。当然のことだろう。福島第一原発の事故原因究明とその安全対策が明確になっていないままで、同じ電力会社が再稼働するというのだから何ら事故に対する改善はされていないと見るべきだろう。

確かにフィルター付きのベント、外部電力の確保などはテーマに挙がっているが、朝日新聞(2014.1.17)によると新潟県知事はモラルハザード(規律の欠如)を問題にし、「極めておかしい計画」と批判している。

株主責任、貸し手責任も棚上げされた事業計画は見直せというのだ。以前から言われている株主も銀行も何ら責任を取らないことに批判があるのは確かだ。先日は銀行団に担保なしでの1兆円の融資を勝ち取った。

巨額の金額を無担保と言うのには驚いたが、裏ではちゃっかり担保されているのだ。

やっぱり世間の常識に従った東電の破たん処理をすべきなのだ。

電気の供給、不況時でも巨額の投資で日本経済をけん引してきた東京電力であるが、たとえ巨大な地震、津波とはいえ、東電の経営、電力会社の経営にはあきれ返る杜撰さに驚くばかりだ。

今、東京都知事選で「脱原発」が争点化されそうで、だれが知事になるかが注目されている。東京都は大株主だからどういう提案がされるかは死活問題でもある。

柏崎刈羽原発の稼働は1基で年間1000億円の燃料費が節約できるということで再稼働が期待されているが、原子力規制委員会の安全審査にパスしての話であり、安倍政権が再稼働に向けて原子力規制委員会や新潟県に圧力をかける可能性は否定できない。

しっかり監視していく必要がある。

16年度には持ち株会社化し、事業別に別会社にし、国有化を縮小していく事業計画だ。東電も早く当事者意識を取り戻さなければ廃炉計画、新しい発送電分離事業もうまくいかないのではないか。

しばらくは、電気代値上げに耐えなければならないのか。困った問題だ。



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