2018年9月28日金曜日

トランプ大統領の反グローバリズム:「公平で互恵」の勝者のいない経済戦争か


トランプ大統領の反グローバリズムが世界を席巻しているが、トランプ大統領が言う「公平と互恵」で米国は不利益を被らないと言うが勝者のいない経済戦争にならないか。

世界はアメリカ流のグローバリゼーション旋風に荒らされアメリカは大儲けしたが最後は怪しげな金融商品でリーマンショックを受け世界経済は低成長を余儀なくされた。

欧州では財政危機で緊縮財政を強いられるようになると生活の困窮からポピュリズムが台頭、アメリカも寂れた工業地帯の復活、雇用の創出を狙いトランプさんが「米国第一」「保護主義」を唱えて大統領になった。

低成長にあえいでいる間に中国が高い成長率で世界経済をけん引し、覇権主義で国威を上げてきた。その結果アメリカが警戒するほどになった。

対米赤字は中国40兆円で日本は2017年で7兆円、自動車、自動車部品が4割を占め米国は農産物が中心だ。日米で世界のGDPの3割を占めるのだ。

安倍総理は「ウィンウィンの関係」と言うが、自動車では2.5%の関税が25%とみられていたが、協議中は回避することが出来そうだが農産物では日本が譲歩したという。農家は心配しているようだ。

トランプ大統領の反グローバリズム、貿易では「公平で互恵的」が不利益を被らないというトランプ大統領の考えが国連での一般討論演説、新聞報道から垣間見ることが出来る。

新聞報道ではトランプ大統領は世界が直面する脅威に対して歴代の政権が達成した以上のものをたった2年足らずで成し遂げたと自画自賛し、米国の経済拡大、安全で豊かな経済は世界の人々にとっても良いニュース、貿易は「公正で互恵的」なのが米国は不利益をこうむらないという。

だから多国間貿易より二国間貿易の方が米国にとってはやりやすいのだ。そして相手国から譲歩を引き出せる。

「交易とは両国にメリットがある」とは、バランスの取れた商行為、昔「比較優位の原則」を習ったが、トランプ大統領はその点を言っているのだろう。

案の定、日本はトランプ大統領から高額の要求をされている。「日本は長年貿易の議論をしたがらなかったが、今はやる気だ」。巨額の貿易赤字は嫌だというとすごい量の防衛装備を買うことになった。

トランプ大統領は安倍総理のやり方を熟知して交渉に臨んでいるのだからしたたかだ。安倍総理がトランプ大統領に会い、頼みごとをするたびに巨額な「お土産」を持参しているのだ。

「我々はグローバリズムのイデオロギーを拒絶し、愛国主義を尊重する」とトランプ大統領は言う。

一方でポピュリズム勢力の伸長、トランプの挑戦は民主主義や政党政治を弱体化しているともいう(朝日新聞 2018.9.26 欧州にグローバル化の不安 「民主主義の行方は」)。

安倍総理は国際舞台では「自由貿易」を擁護するが、対トランプでは反グローバリズムに協力していることになる。他国の首脳にいつまで信頼されるか。もう信用を失っているかもしれない。



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