2021年12月12日日曜日

経営者の考え方一つか:賃上げ、研究開発で後れを取る日本、大丈夫か

読売新聞 2021.10.20

日本経済再生は「分配」と思っていたので岸田総理が「分配」を言い出したときは賛同したが、今「成長と分配」と言い、まず成長が必要でその成果を分配にまわすと言い出した。分配を優先すると思っていたのでトーンダウンだ。

物価上昇、GDP成長率に欠かせない「賃上げ」を目指し、政府は企業に圧力をかけている。「アメとムチ」で迫っているが、要は経営者の考え方一つだ。儲かる海外へ進出し、低成長の国内では逆に非正規労働者の雇用など賃下げの動きだ。 

日本社会は破綻しても企業が儲かればいいと思っているのか。企業は量的緩和策などで内部留保は484兆円、GDP規模になっている。経済財政審議会で当時の麻生財務相が「このカネをどうやって穿かせるかが課題だ」と指摘したことがある。

「設備投資や賃上げにむけろ」と言うのだが「需要はない」、「固定費に占める人件費を抑えたい」企業経営者の判断だ。

新聞報道(読売新聞2021.10.20)によると、過去30年の日本の平均賃金が購買力平価ベースで比較されている。日本は焼く440万円で30年前と比べると4%のわずかな増加だ。韓国にも抜かれ、米国は倍に近い増加だ。

朝日新聞 2021.12.12

一方で新聞報道(朝日新聞2021.12.12)で主要国、地域の研究開発費の推移が購買力平価で比較されている。日本は20年前と変わらないが、米国は2倍近く増加、中国は10倍以上の増加だ。中国は留学生や海外の優秀な研究者の引抜をやっている。 

政治体制が共産主義でなければ2050年までに中国が世界制覇することも可能なのだ。 

日本は、時間給も1000円未満でゴタゴタしているがアメリカは2000円台だと思った。日本は日正規労働者の賃上げをすると正規労働者にも考慮しなければならず中小企業は大変なのだという話を聞いたことがある。 

一方で、賃金は上がらないが税金や社会保障費での負担は増加し46%に達するという。これじゃ可処分所得は増えない。10万円給付をやっても若い世代は貯蓄に回すというのが本音だろう。 

将来不安を払拭する対策が必要だが、そうは行かないようだ。

自民党政権は大企業の支持で持っている。選挙のたびに大企業の管理職は自民党支持になるのだ。

法人税も下がる一方で、上がらない。富裕層とともに優遇税制に守られている。富裕層では「1億円の壁」があるという。1億円を超えると所得税負担割合が減るというのだ。自民党政権では手がつけられない障害なのだ。 

それでも岸田政権は22年度0.5%以上、23年度1%賃上げを行わず、設備投資も不十分なら「研究開発減税」などの優遇措置を認めないという。 

その研究開発も主要国、地域を購買力平価ベースで比較すると勿論トップは米国、中国の急上昇には驚く。日本はここ20年わずかな伸びでドイツにも追い越されそうだ。中国は贅沢な資金で海外から優秀な研究者を狙い撃ちしている。一方で情報管理に問題がありそうだ。 

人口減による労働人口の減少、賃金が上がらずでは消費は伸びず物価上昇、GDP成長も期待できない。海外から労働者の移動も期待できるが、彼らは稼いだカネは本国の家族に仕送りする。日本での消費は期待できない。 

若者が結婚し子育てできる環境を整備しても労働人口になるまでには20年かかる。2050年の日本の姿はどうなのか。賃上げも実感がわくぐらいでないと効果はない。 

大企業、富裕層優遇で中間層以下の国民の生活が疲弊すると自民党政権に変わる労働者、低所得者が指示する政党が出てくる。政権交代しかチャンスはない。

 

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